2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23840006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 知行 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任助教 (70609289)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | p進コホモロジー / D加群 / ラングランズ対応 |
Research Abstract |
今年度はp進コホモロジーの重さの哲学をD.Caro氏との共同研究で実現させ,論文にしてまとめた.l進コホモロジーにおいてはドリーニュのWeil IIなどで示されているもので,ヴェイユ予想の壮大な一般化といえる.また小同志予想は重さの哲学と密接にかかわっている予想なため,構築が急がれていた.この理論はケドラヤによるp進コホモロジー論を使ったヴェイユ予想の証明を完全に含むものであり,ケドラヤの論文によってもその理論の構築の可能性は指摘されていた,p進コホモロジー論において重要な課題であったといえる. Weil II型の定理は重要だが,重さの理論の応用においては交差コホモロジー論の構築も欠かせない.今回はこの理論の構築にも成功した.交差コホモロジーは表現論などにおいて幅広く用いられているコホモロジー理論であり,当然p進コホモロジー理論においても定義されるべきものであった.しかし,さまざまな技術的困難があり,定義すらされていない状況であった.今回は数論的D加群を用いることによってこの困難を克服し,定義することができた.交差コホモロジーの重要性は定義そのもの自体より,純性定理にある.l進コホモロジーの場合この性質はガバーによって示されており,消滅隣体の性質を用いた複雑なものである.今回はキールらによるフーリエ変換を用いた方法を採用し,示すことに成功した.これらの仕事により,小同志予想を示す基礎的な部分の整備がひとつ終わったことになる. これらの応用として,藤原-Gabber型の定理,つまりl進とp進コホモロジーを用いたHasse-Weil L関数の比較,など重さの理論ができることによって得られる重要な性質も示すことができた. 一方でアルティン・スタックに対するコホモロジー論の構成にまでは手が回らなかったことも事実であり,今後の課題となる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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