2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23840016
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
澤田 宙広 岐阜大学, 工学部, 准教授 (80451433)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究によって、スピンコート現象の数学的解明における道筋を、関数解析学的アプローチによってある程度見通すことができるようになった。回転流体運動を記述する物理パラメーター(液体の粘性・表面張力等)や回転速度は状況に応じて異なる値を取るが、それらを同時を扱って議論することができる数学的道具を揃えることができた。すなわち、滑らかな時間局所解の存在定理が得られるかどうかを比較的簡単な計算により判別する手法が開発できた。また、より実践的な熱対流の効果を考慮した複雑なモデル問題に対する、滑らかな時間局所解の存在を証明した。これらは数値実験の数学的正当性を議論するのに必要な数学研究である。現象を記述する偏微分方程式の妥当性を、数値実験と実際の物理実験の比較によって検討することを可能にし、モデリングの精度を上げる効果があるため、本研究の果たす研究意義は大きい。 また、単純化したモデル問題(流体運動を記述するナヴィエ・ストークス方程式やオイラー方程式)における、特殊な構造を持った初期値に対する滑らかな解の存在定理と、それらを議論するのに適切な枠組みでの解の一意性定理を獲得した。この研究成果は、初期値に小ささを仮定しないで滑らかな時間大域解の一意存在定理を証明した初めての結果である。また流体運動を記述する方程式の非線型構造を、特殊な解の一意存在および安定性等で議論して表現にしておく点において、独創的かつ斬新な結果である。流体運動における圧力の果たす役割を逆説的に明確にした点も、本研究の特長である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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