2012 Fiscal Year Annual Research Report
多重拘束マルチモーメント概念に基づくブラゾフコードの再構築と多階層乱流構造の解明
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23840025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今寺 賢志 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90607839)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | プラズマ・核融合 / ジャイロ運動論 / Vlasovシミュレーション / 乱流輸送 / 階層間相互作用 |
Research Abstract |
本研究課題では、核融合プラズマにおいて多階層ダイナミックスが重要な役割を果たす以下の2つの物理現象について、ジャイロ運動論モデルを用いて解析を行った。 (A)開放系核融合プラズマ中の過渡的な変化に対する輸送の応答 熱源と粒子衝突を考慮したグローバルなジャイロ運動論的ブラゾフコードを用いて、非局所・非拡散的な輸送が支配的となる熱源駆動型の乱流シミュレーションを行い、外部からの熱の入力を過渡的に変化させた場合の乱流の応答について解析した。その結果、熱源からの入力値に比例して乱流輸送が増加するにも関わらず、温度分布は臨界勾配近傍から大きく変化せず、分布の硬直化が起きることが確認された。その要因としては、熱源からの入力値に比例して輸送の伝播速度が速くなり、径電場の励起が弱められためと考えられる。 (B) MHD-イオン系乱流間の多階層線形相互作用の解析 典型的な磁場閉じ込め核融合プラズマでは、MHD不安定性の結果、イオンジャイロ半径の数10倍程度の磁気島が形成される一方、温度勾配を駆動源として、イオン温度勾配不安定性(ITG)が励起され、イオンジャイロ半径程度の乱流構造が形成される。これまでは単階層シミュレーションによってこれらは個別に解析されてきたが、我々はジャイロ運動シミュレーションを用いてそれらの多階層間相互作用の解析を行った。その結果、磁気島によるモード間結合の結果、異なる波数の成長率が等しい大域的モードを形成し、全体の成長率が減少することがわかった。一方で、流体モデルでの結果と比較するとその減少は小さく、さらに、磁気島が十分大きい場合、逆に不安定化されることが確認された。これは、磁気島が増大するとそれに伴って新たな有理面が形成され、モード幅が狭い短波長ITGモードがより強く励起されたためと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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