2012 Fiscal Year Annual Research Report
次世代中性子電気双極子能率探索実験のための新型中性子反射鏡の開発研究
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23840030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉岡 瑞樹 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20401317)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 超冷中性子 / 電気双極子能率 |
Research Abstract |
当該研究では、中性子反射鏡として有望な重水素化Diamond Like Carbon(以下、DLC)薄膜の成膜技術の確立を世界に先駆けて行い、試作導管の制作・試験までを一貫して行うことを目的とする。当該研究期間内に、およそ60枚の重水素化DLC及び軽水素DLC薄膜を様々な製膜条件(原料の流量、基板電圧、圧力等)製膜した。また、当該研究期間内にJ-PARC BL16の水平型中性子反射率計のビーム試験に2回採択され、製膜した全てのサンプルを中性子ビームに照射した。その結果からフェルミポテンシャルおよそ230neVの重水素化DLC薄膜の製膜方法を確立した。なお、このフェルミポテンシャルは従来中性子反射鏡として用いられているニッケルミラーに匹敵するもので、DLCを重水素化することにより当初の予想通り高いフェルミポテンシャルを得る事ができた。また、製膜した重水素化DLC及びシリコン基板、ニッケルミラーの表面粗さを原子間力顕微鏡で測定した。その結果、当初の予想通りDLC薄膜の基板転写生は非常に良く、表面粗さはシリコン基板と同程度であることが分かった。また、非鏡面反射確率はニッケルミラーと比すと一桁以上改善していることが示された。表面粗さに関して、中性子ビーム照射データの解析は目下進行中である。以上の結果より、重水素化DLCは中性子電気双極子能率測定実験のための超冷中性子輸送導管に適していることが分かり、そのための製膜技術を確立することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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