2012 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー光を用いて実現する新しい種類の極低温原子気体に関する理論的研究
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23840034
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
高橋 雅裕 学習院大学, 理学部, 助教 (00613697)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | ボーズ・アインシュタイン凝縮 / 超流動 / 超伝導 / 準周期系 / 非線形Schroedinger方程式 |
Research Abstract |
本年度は前年度に行ったレーザー光を用いて作成される順周期ポテンシャル (Fibonacci ポテンシャル) についての論文をまとめ、公式に成果を発表することができた。 また、2 バンドの超伝導体についての研究を行い、研究結果を国内外に発表した。この研究は、複数のバンドの効果により、秩序パラメーターが空間変化する Fulde-Ferrell-Larkin-Ovchinnikov (FFLO) 状態がどの様に変化し、磁場-温度相図がどの様になるかに注目した研究である。このような FFLO 状態は極低温原子気体の系でも注目を集めており、レーザー光を用いて相互作用が制御できる系では実現可能性が高い。複数のバンドに関しても、異なる超微細スピン状態の粒子を用意し、その粒子数を調整して混ぜることで可能であり、直接に今回行った研究結果が活かせると考えられる。 超流動・超伝導状態は粒子が Cooper 対を作ることにより実現するが、外部磁場や粒子数の不一致などにより、Fermi 面がずれている場合、磁化のエネルギーと凝縮エネルギーの競合が起こり、高磁場または高い粒子数の不一致によって FFLO 状態が安定となる。単バンドを考えたときの FFLO 状態はこれまで非常に多く研究されてきたが、複数バンドの系での FFLO 状態は微視的理論の立場からきちんとした研究がなされていなかった。得られた成果として、複数の異なる FFLO 状態が安定化することが分かった。そしてそれは各バンドで FFLO 状態が起こり、その波数が競合するために起こることが理由だと突き止めることができた。この競合により悪魔の階段と呼ばれる無限に多い相転移も予言でき、さまざまな分野へのインパクトは大きいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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