2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23840038
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中里 健一郎 東京理科大学, 理工学部, 助教 (80609347)
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Keywords | 超新星ニュートリノ / 超新星爆発 / 原始中性子星 / 重力崩壊 / ブラックホール |
Research Abstract |
重力崩壊型超新星爆発に伴って放出されるニュートリノは、将来的にその観測からいまだ解明されていない超新星の爆発メカニズムだけでなく、ニュートリノの質量や混合角といった素粒子的性質にも重要な手がかりが得られると期待されている。そこで本研究課題では、超新星ニュートリノの光度曲線やスペクトルの長時間変動を理論的に予測するため、ニュートリノ輻射流体計算による星の重力崩壊と、超新星爆発によって中心部に形成される高密度領域(原始中性子星)のニュートリノ放出による冷却を、スーパーコンピュータによって計算する。本年度は主に星の重力崩壊計算を行った。超新星爆発を起こす星にはさまざまなタイプのものがあるが、本研究課題では系統的な振る舞いを調べることが目的であるため、質量や元素組成の異なる8つのモデルを取り上げた。結果として、重力崩壊の跳ね返り(バウンス)から100ミリ秒以後のフェーズにおけるニュートリノ光度とエネルギーは、崩壊前の星の鉄コアの質量が大きいほど、高くなることが確認できた。これはバウンス後の質量降着率に違いがあるためと考えられる。特に、中質量(太陽の30倍程度)で低金属量の星では、鉄コアが大きすぎてバウンスから約800ミリ秒で再崩壊が起こり、ブラックホールが形成されることがわかった。一方、残りの原始中性子星冷却の計算も現在、進めている。 このほかにも、バウンス直前の超新星コアにおいて従来考えられていたパスタ相のほかにジャイロイド相が存在する可能性の曲率項を含む液滴模型による定量的な検討や、ハイペロンやクォークがブラックホール形成に与える影響についての研究もおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、本研究課題の前半部にあたる星の重力崩壊計算は完了し、後半部である原始中性子星の冷却計算についても、コードのチューニングやテスト計算を済ませ、すでに本計算を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は残りの原始中性子星冷却の計算を進めるとともに、得られた結果に基づいて包括的な超新星ニュートリノのデータベースを構築し、ウェブ上で誰でも利用できる形で提供することを目指す。これらのデータは次に銀河系内超新星が起こった際、すぐに比較できるテンプレートとしてだけでなく、過去に起こった超新星爆発から放出されたニュートリノによる宇宙背景放射の見積もりやニュートリノ振動のパラメータ決定においても利用価値の高いものになると期待できる。
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