2012 Fiscal Year Annual Research Report
周期的シュレディンガー作用素のスペクトル理論の研究
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23840042
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
新國 裕昭 同志社大学, 理工学部, 助教 (90609562)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 解析学 / 函数解析学 / スペクトル理論 / シュレディンガー作用素 / 周期ポテンシャル / 量子グラフ / スペクトラルギャップ / バンド構造 |
Research Abstract |
本研究では, 周期ポテンシャルに従うシュレディンガー作用素のスペクトルについて, 次の研究テーマに沿って研究を行った: 「(I) 周期的一般点相互作用に従う1次元シュレディンガー作用素のスペクトルについての研究」 「(II) Zigzag nanotube 上のシュレディンガー作用素のスペクトル理論についての研究」 (I)では, 周期的一般点相互作用に従う1次元シュレディンガー作用素のスペクトルの構造に関連する coexistence problem に取り組み, 数学誌「SIAM Journal on Mathematical Analysis」「Far East Journal of Mathematical Science」にて論文を発表した. 両論文において, 基本周期内に 3個, 4個 の一般点相互作用がある場合についての coexistence problem に関する結果を述べた. 次に, (II) の成果について述べる. Zigzag nanotube とは, Pauling 氏によって提唱された芳香分子のモデルで, 数学的には1辺の長さが1の六角形の和集合で表されるシリンダー状の量子グラフを表す. キルヒホッフの頂点条件を持つ場合に, zigzag nanotube 上の周期ポテンシャルに従うシュレディンガー作用素はネックレス状の最も基本的な zigzag nanotube の直和とユニタリ同値であることが従来から知られていた. この性質は, zigzag nanotube の頂点条件を変えても変わらないため, 本研究では, 最も基本的な zigzag nanotube において, δ型の頂点条件に従う周期的シュレディンガー作用素のスペクトルを解析した. 本研究により, 特別な条件下で, スペクトルがバンド構造を持つことがわかり, またバンド端の漸近挙動を得た.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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