2012 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー天体現象における磁気エネルギー解放とフレア機構の解明
Project/Area Number |
23840045
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
高橋 博之 国立天文台, 天文シミュレーションプロジェクト, 助教 (80613405)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | プラズマ / 相対論 / 輻射 |
Research Abstract |
磁気リコネクションは非平行形状をもつ磁力線同士が繋ぎかわる現象で、この際、磁気エネルギーがプラズマの熱や運動エネルギーに変換される。プラズマに渡されたエネルギーの一部は輻射へと変換され、フレアとして観測されると考えられている。このエネルギー変換機構は電気抵抗を介して行われるため、高エネルギー天体におけるフレア現象を理解するためにはプラズマ、磁場、輻射、そして電気抵抗を相対論の枠組みで扱うことが出来る相対論的抵抗性輻射磁気流体(R3MHD)コードの開発が必要となる。しかし、これまでこれらの効果を全て含めた安定な数値計算コードは無かった。 そこで本研究ではまず、相対論の枠組みで輻射とガスを無矛盾に含めた相対論的輻射流体コードの開発を行った。研究代表者はガスと輻射の相互作用を陰的に時間積分する方法を提唱/開発し、これにより安定に長時間積分することが可能となった。その後この数値スキームを発展させ、磁場と電気抵抗も無矛盾に含めた世界初となるR3MHDコードの開発/実装を行った。これにより、高エネルギー天体現象における磁気エネルギー解放機構を数値的に研究することが可能となった。 研究代表者はこのコードをブラックホール磁気圏における磁気リコネクション問題に適用し、輻射エネルギーが卓越するプラズマ中における磁気エネルギー変換機構の研究を行った。その結果輻射が磁気エネルギーの解放率を下げることを発見をした。輻射エネルギーが卓越したプラズマ中では、磁場によるガスを加速する力ではなく輻射による摩擦力(放射抵抗)が卓越する。このためにガスを拡散領域から効率的に排出することが出来なくなり、その結果エネルギー解放率が下がることがわかった。また輻射はガスと頻繁に衝突するために、磁気エネルギー解放の結果、細く収束したビーム状の輻射が放射されることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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