2011 Fiscal Year Annual Research Report
超並列版電磁プラズマ粒子コードを用いた高マッハ数衝撃波における電子加速の研究
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23840047
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松本 洋介 千葉大学, 大学院・理学研究科, 特任助教 (20397475)
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Keywords | 宇宙線 / 宇宙物理 / 計算物理 / プラズマ・核融合 / 粒子加速 |
Research Abstract |
宇宙線の起源として有力な加速機構である、超新星残骸衝撃波での電子加速を明らかにするため、近年の超並列計算機に対応した電磁プラズマ粒子(PIC)コードの開発を行い、2次元衝撃波における加速メカニズムについての研究を行う。本年度においては、PICコードのハイブリッド並列化、及び開発したコードを用いた2次元垂直衝撃波の大規模PICシミュレーションを実施した。 コードの並列化では、MPIによる領域分割並列化に加え、ノード内でOpenMPを使ったスレッド並列を組み合わせたハイブリッド並列化を行った。プロセス間の通信、負荷のバラつきを抑えることにより、これまで512並列で6%であった実行効率が、同じく512並列(128プロセス並列×4スレッド並列)で約10%の実行効率を得ることに成功した。 開発したコードを用いて、高マッハ数衝撃波の2次元大規模計算を行った。着目したのは、イオン・電子質量比、マッハ数、上流プラズマβである。特に、質量比M/m=100、アルヴェンマッハ数MA=30といった超新星残骸衝撃波の環境に近い条件のもとでは、電子が効率的に加速される様子を明らかにした。本計算例を始め、質量比、マッハ数、上流βを変えた4つの計算を行うことにより、これらパラメタの電子加速に与える影響について理論的に整理を行った。本研究結果は、Astrophysical Journalに投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目的とした、2次元粒子コードのハイブリッド並列化(MPI+OpenMP)が完了し、領域分割法による並列化効率、実行効率の向上に成功している。また、開発したコードを用いて高マッハ数衝撃波の2次元計算を行い、粒子加速メカニズムのパラメタ依存性をまとめ、論文を投稿する直前の段階に来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究では、垂直衝撃波のうち、シミュレーション面外の磁場配位の下でのみ研究を行った。同じく垂直衝撃波でも面内磁場配位では、衝撃波面でのイオン(MHD)スケールでの不安定性が励起されることが近年の研究によって明らかになっている。そこで、本研究ではM/m=225,MA=45、面内磁場配位での、高マッハ数衝撃波中における波面構造と電子加速との関係を明らかにし、面内・面外磁場配位による違いを明らかにすることを目指す。そして、3次元計算へ繋げるための理論的理解をすることを目的とする。
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Research Products
(2 results)