2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23850001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩井 智弘 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30610729)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 触媒有機化学 / 不均一系触媒 / ホスフィン / 多点固定化 / シリカゲル / パラジウム / イリジウム / C-H活性化 |
Research Abstract |
不均一系触媒は分離や再利用等の面から環境負荷の少ない手法であるが、固体表面の立体障害により、対応する均一系触媒よりも活性が低下することが問題である。本研究では、固体表面を反応場とした高活性な配位不飽和金属錯体種の選択的形成と触媒反応への応用を目的とし、配位子の運動性と方向性を厳密に規定する多点固定化法を考案し、研究に着手した。 実施者はまず、単純なPPh3骨格を有するシリカ三脚担持型トリアリールホスフィンを開発し、13C, 29Si, 31P固体NMR測定を用いて詳細な構造解析を行った。その結果、本リン配位子は期待通りに、シリカゲルに対する三脚固定化様式をとることを確認した。遷移金属への錯化挙動に関して調査したところ、シリカ三脚担持型ホスフィンは選択的な金属―リン 1:1錯形成能を有しているのに対し、従来の一点固定化ホスフィンでは金属への過剰配位によるビスホスフィン錯体の生成が確認された。 シリカ三脚担持型トリアリールホスフィンをパラジウム触媒による塩化アリール類の鈴木―宮浦クロスカップリング反応や、イリジウム触媒による脂肪族C(sp3)-H結合の直接ホウ素化反応に適用したところ、いずれも高い触媒活性を示すことを見出した。一方、対応する均一系配位子や既存の一点固定化ホスフィンでは活性は大きく低下した。 以上の結果から、多点固定化による配位子の厳密な構造規定により、均一系触媒を凌駕する高活性な不均一系触媒の構築に成功した。本方法論は学術面のみならず、不均一系触媒が多用される産業面の観点からも意義深いものであり、更なる発展が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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