2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23850007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大黒 耕 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60614360)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 分子糊 / 光応答性 / フォトクリックケミストリー / 抗癌剤 |
Research Abstract |
生体高分子表面に接着するためのグアニジニウム基とフォトクリックケミストリーを利用した光重合における反応点であるテトラゾール、オレフィンの両者を分子内に有する分子糊モノマーを合成することに成功した。デオキシリボ核酸(サケ由来)を生体高分子のモデルとして分子糊モノマーと混合し、同様に光重合を行い、アガロースゲル電気泳動にて解析したところ、光照射の有無で核酸の泳動度が変化することが明らかになった。これは、光重合によってグアニジニウム基を多数有するポリマーが系中で生成し、多価相互作用による強い接着が生じたことを示唆する結果である。以上の結果より、本研究課題の基本戦略である、「光照射によって分子糊の接着性を生み出す」ことに成功した。 上記と類似の発想をもとに、光刺激によって接着対象との間に共有結合を形成し、その接着性を永続的なものに変換する、新しいタイプの「フォトクリッカブル分子糊」を開発した。これを用いることで、癌細胞の増殖において重要な役割を担う微小管-キネシンの動的な会合を永続的に固定し、極めて希薄な条件でも作用させることに成功した。これは、希釈や拡散が生じる生体内環境においても効率的に機能する、優れた抗癌剤へと応用できる技術である。 また、上記とは異なる光応答性ユニットを導入し、機械的な力を生み出すことのできる「光応答性分子糊」を新たに開発した。分子糊の生体膜への接着性を利用し、膜のイオン透過性を光刺激によってコントロールすることに成功した。膜のイオン透過は重要な生体現象の一つであるシグナル伝達の根幹を担うものであり、神経系の疾患治療への応用が期待されるものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)