2012 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合性テンポラリーネットワークを用いたDNゲルのレオロジーとダイナミクス
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23850008
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
信川 省吾 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (50609211)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | レオロジー / 分子配向 / 配向緩和 / DNゲル |
Research Abstract |
本研究では、化学ゲルと物理ゲルを組み合わせたダブルネットワーク(DN)ゲルの力学物性に関して検討を行った。まず、化学架橋したアクリルゲルに水素結合性の直鎖状高分子を導入したところ、相分離が生じた。そのため、セルロースまたはアクリル系のホスト高分子に、高い相溶性が期待できる比較的短いゲスト高分子鎖を導入し、力学物性に対する各成分分子の配向緩和の影響を検討した。力学物性と複屈折を同時に測定することにより、通常は評価することができないゲスト分子の配向度を評価した。応力データから、ホスト高分子の配向度を見積もり、ゲスト分子の配向度と比較したところ、ゲスト分子の剛直性が高い場合、ホスト分子と協同的に配向することが判明した。この協同的配向には、分子間のネマチック相互作用が寄与しており、セルロースエステルをホスト高分子として用いた場合には、この分子間相互作用が最大値を示すことも明らかとなった。一方、様々なホスト分子を用い、上記測定に加えて誘電緩和測定も合わせ検討を行ったところ、同一のゲスト分子であっても、ホスト分子の屈曲性が異なれば、分子配向緩和の協同性が著しく変化することも明らかとなった。本現象は、本研究の目的であるDNゲル中において、屈曲性が大きく異なる高分子をネットワークに組み込めば、それぞれのネットワークが独立な配向緩和を示すことを示唆する。現状では、そのような組み合わせは見いだせていない。アクリル系高分子は屈曲性が高いため、今後は高い相溶性が期待されている水素結合性を持つセルロース誘導体と混合し、各成分の配向挙動と力学物性の関係を調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)