2011 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送モデルリポソームを用いた人工シナプスリポソームアレイの構築
Project/Area Number |
23850022
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
神谷 厚輝 財団法人神奈川科学技術アカデミー, バイオマイクロシステムプロジェクト, 研究員 (70612315)
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Keywords | ベシクル / リポソーム / マイクロデバイス / 人工細胞 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
リポソームはリン脂質2分子膜から構成され細胞膜と同様の構造を持っており薬物担体としても利用されている。細胞サイズ(10-30μm)のリポソーム(巨大リポソーム)が、リアルタイムの可視化による膜挙動解析ができる唯一のリポソームとして、近年、生命科学分野の細胞膜構造や膜タンパク質研究に人工細胞モデルとして積極的に取り入れられるようになった。従来の細胞サイズ(10-30μm)のリポソーム(巨大リポソーム)作製法は、クロロホルムに溶解したリン脂質をアルゴン気流下で乾燥させ、蒸留水等を加え、自己組織的にリポソームを形成させる方法である。自己組織的にリポソームを形成させるため、サイズが揃わなかった。また、生理的な溶液条件ではリポソーム生成効率が高くない。リポソームの品質如何で実験結果が揺らいでしまい膜タンパク質の素反応を観察することが困難である。そこで、当研究室でリン脂質2重平面膜にジェット流を吹きかけ均一かつ高封入なリポソーム作製デバイスが開発された。しかし、このデバイスでのリポソーム作製は直径200μmと非常に不安定な巨大なリポソームのみが形成され使用が限定される。そこで、本年度はこのデバイスを改良し細胞サイズ(直径10μm)の安定的なリポソーム作製を試みた。従来デバイスよりリン脂質2重平面膜を形成する面積を小さくすることにより、細胞サイズの安定的な(1日以上)リポソーム形成に成功した。さらに、ジェット流の速度を変化させることにより、リポソームのサイズを調節可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は安定的な細胞サイズリポソーム作製及び水溶性物質封入にも成功した。また、リン脂質組成非対称リポソーム作製にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はこのデバイスを用い、リポソーム内に膜タンパク質DNAと無細胞タンパク質発現系を封入し、タンパク質を発現させ、膜タンパク質の機能解析をおこなう。
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