2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23860006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 圭 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60612398)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | トライボロジー / 摩擦 / 摩耗 / 複合材料 / RBセラミックス / ガラスビーズ / 充填剤 / 熱可塑性樹脂 |
Research Abstract |
本研究の目的は,「摩耗低減剤」として粒子系充填剤を熱可塑性樹脂に充填することにより,低摩擦と極めて優れた耐摩耗性を両立した新しい樹脂系複合材料を開発することである.本年度では,ポリアミド66(PA66)樹脂に米ぬかを原料とする硬質多孔性炭素粒子RBセラミックスを充填した複合材料及びガラスビーズを充填した複合材料に対して,連続接触における摩擦・摩耗特性を明らかにした.幅広い垂直荷重,すべり速度における摩擦試験の結果,低負荷条件において,両複合材料の摩耗は,PA66樹脂単体に比べ少なく62-97%低減されることが判った.摩耗面の観察より,RBセラミックス粒子あるいはガラスビーズの充填により母材のPA66樹脂の塑性流動が抑制され,摩耗粉が系外に排出されにくいため,耐摩耗性が向上することが示唆された.高負荷条件においては,両複合材料の摩擦係数がほぼ一定の値を示すのに対し,PA66樹脂単体では高い値を示すことが判った.また,PA66樹脂単体の摩耗は,比較的高くほぼ一定の値を示すのに対し,両複合材料では負荷条件が高くなるに伴い増加する傾向を示した.しかしながら,RBセラミックス粒子あるいはガラスビーズの充填率が低い場合,摩耗はPA66樹脂単体に比べ24-86%低減されることが判った.赤外線放射温度計による測定の結果,表面温度がガラス転移温度に比べ高いことから,PA66樹脂では,軟化による大規模な塑性流動が生じるものの,軟化による真実接触面積の増加により摩擦係数は増加したものと考えられる.一方,充填率の低い両複合材料では,母材の軟化が生じ摩耗は増加するものの,充填した粒子の塑性流動抑制作用により,PA66樹脂単体に比べ低い摩耗を示したものと考えられる.以上より,RBセラミックス粒子あるいはガラスビーズは,樹脂材料の飛躍的な耐摩耗の向上を実現する粒子系充填剤として期待されることが判った.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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