2011 Fiscal Year Annual Research Report
β‐Sc相を利用したBCC/HCP二相マグネシウム合金の組織制御
Project/Area Number |
23860009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安藤 大輔 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50615820)
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Keywords | マグネシウム / スカンジウム / 二相組織制御 / 強度延性バランス |
Research Abstract |
従来のMg合金開発では、HCP相に固溶、析出させる研究が多いが、本研究ではMg-Sc合金でβ-Sc(BCC)相を利用した組織制御により、BCC/HCP二相化が可能であることを初めて見出した。また、これまでに報告されていた状態図よりも低Sc濃度までβ-Sc(BCC)相が存在することがわかった。さらに、Mg合金の降伏強度vs破断伸びの関係である強度延性バランスにおいて、Mg-Sc合金は、汎用合金の特性を大きく上回ったLPSO相Mg合金をもはるかに上回っていることがわかった。また、現状では溶解後に熱間圧延、溶体化しただけであり、さらに溶体化後の冷却速度や加工熱処理条件によりミクロ組織を様々に変化させれば、さらなる高強度・高延性化が実現し、世界最高強度かつ高延性を併せ持つMg合金の開発が期待できる。 これまでのMgの新規合金探索研究とは大きく異なり、Ti系合金のように組織をBCC/HCP二相化することに注目した点が独創的であり、世界で初めての試みであると考える。本合金系は、TiにおいてTi-6Al-4V合金が開発されたことで羽ばたいたのと同様に、BCC/HCP二相組織制御により、引張・圧縮特性や疲労特性など種々のニーズに合った特性を生み出せる可能性があり、2.2g/cm^3と比重でTi合金の1/2以下という超軽量の実用合金となり、軽量合金代表格のAl合金やTi合金を匹敵するようなブレイクスルーとなるポテンシャルをもっている材料といえる。
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Research Products
(1 results)