2012 Fiscal Year Annual Research Report
析出塩と土壌中の熱・水分移動の相互作用を考慮した塩析出予測モデルの構築
Project/Area Number |
23860024
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
寺崎 寛章 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (40608113)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 塩害 / 析出塩 / チャオソイル |
Research Abstract |
本年度では、まず飽和―不飽和―乾燥土壌中における熱・水分(水蒸気を含む)・塩移動の同時連成解析モデルに、前年度で定量評価した(1)析出塩と体積含水率を考慮したアルベド予測モデル、(2)析出塩の水蒸気移動抵抗を組み込むと同時に、さらに(3)析出塩の比熱および熱伝導率などの諸物性値を定量評価し、最終的に塩析出予測モデルを構築した。 次に、モデルの検証を行うために、室内塩析出カラム実験を行った。実験では温度・湿度一定条件下において、塩水を供給した土壌カラムからの土壌温度、蒸発量、体積含水率、地表塩濃度、含塩率、塩析出開始時間、析出塩量を調べた。その結果、上述で開発した塩析出モデルにより、実験で得られた地表での塩濃縮および塩析出現象を精度よく再現することができた。 本研究に密接に関連する東北地方における津波による土壌塩害問題を調べるために、宮城県名取市、岩沼市および亘理町において土壌塩害調査を実施した。その結果、2年を経った現在もなお、除塩工事が行われていない水田が多く、未処理の水田の塩濃度、ECは作付け基準値よりも高いを示した。さらに、塩害を受けている農家(小塚原南農業復興組合の専業農家グループ)に協力を依頼し、被害状況と農家の方からのニーズをヒアリングした。その結果、農家の方は土壌塩分状況や地下水の塩害状況の科学的データを必要としており、また作付け可能な作物に関する情報を必要としていることが分かった。さらに、営農再開時期の予測や夏期における塩害の再発防止に関する情報についても要望が高かった。これらのアンケート結果から、筆者らは塩害調査結果を小塚原南農業復興組合に適宜報告した。 今後は、塩析出予測モデルをもとに、作付け開始時期の予測、塩害の再発危険性チェック、さらに除塩工事の効率化を図る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)