2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体用Ti-Nb基合金で発見された疲労軟化とω相の単一バリアント形成の機構解明
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23860030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
當代 光陽 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10610800)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 生体材料 / ω相 / 単結晶 |
Research Abstract |
Ti合金の中で、Nb、Mo、Taといった添加元素に影響により、純Tiの高温相であるbcc構造を室温において安定化させた、いわゆるβ型Ti合金は耐食性、比強度、加工性に優れており、骨生体材料用金属材料として注目を集めている。このβ型Ti合金は特定の組成において特異な電気抵抗の温度依存性や低いデバイ温度を有する相安定性の低いβ相が出現する。このβ相はω相が抑制されたごく限られた組成域で出現し、β型Ti合金の弾性変形ならびに塑性変形の特異な挙動や強い異方性と関係していることを見出した。特に、この相安定性の低いβ相を有するTi合金の単結晶試料を浮遊帯溶融法(FZ法)にて育成し、活動する転位のバーガースベクトルに注目して塑性変形挙動を調査した結果、特定の荷重軸において圧縮変形時にω相が誘起され、変形前後での電気抵抗特性に相違が観察された。この変形時に形成されるω相は単純圧縮応力よりも交番応力を負荷することでより明瞭に形成され、また、活動する転位のバーガースベクトルを変化させることによって形成されるω相の結晶方位を制御できることも明らかにした。さらにこの形成されたω相を含有するβ相の塑性変形挙動が強い異方性を示していることを明らかにした。このことから、変形時に形成されたω相は活動する転位の往復運動と関係しており、この性質の解明によりβ型Ti合金における脆化のメカニズムが明らかとなり、次世代生体材料の開発に発展できるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)