2011 Fiscal Year Annual Research Report
風車の変動出力を時々刻々平滑化する簡易ポンプ水車ユニットの開発
Project/Area Number |
23860035
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 天元 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 研究員 (90611278)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 低消費電力・高エネルギー密度 / 風力 / 水資源 / 流体工学 |
Research Abstract |
本研究の究極目標は,太陽光および風力などの変動の激しい自然エネルギー資源を有効活用して電力の安定化に貢献する相反転方式ポンプ水車ユニットの実用化(運転方法を含む)である.その準備段階として,既設の相反転方式輻流水力発電ユニットをポンプ運転した場合(水車運転のデータは既得)の定常性能および内部流れについてCFD(コンピュータシミュレーションによる数値実験)援用により追究した結果,1.相反転インペラのスマートコントロール効果(回転速度の自己調節機能)により低流量域において揚程の右上がり不安定特性は現れず,広い流量範囲において安定した運転が可能であることが分かった.また,ポンプユニットを水車運転した場合(ポンプ運転のデータは既得)の実験および数値解析結果によれば,2.羽根形状によらず羽根車/ランナ出入口において軸方向流入流出条件が得られ,3.ポンプ専用羽根車にもかかわらず水車専用モデルとほぼ同程度の最高効率が得られることが分かった.なお,揚水がなければ発電もないことからポンプ運転に有利となるよう幾分反りを持たせたポンプ水車用羽根車を製作予定であるが,4.更なる水車性能向上のためにはカスプ状前縁ハブ側における局所的な流れの剥離を抑制する必要がある.上記の成果は相反転方式がポンプ水車において極めて有用であることを物語っており,平成24年度実施予定であり,本研究の最大の山場である非定常運転能力開発の基礎資料となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既設の相反転方式軸流ポンプユニットを水車運転した場合および水力発電ユニットをポンプ運転した場合の定常性能および内部流れが明らかにされて概ねポンプ水車用羽根車の設計指針が得られた.また,現在風力発電ユニットとポンプ水車を連携運転させて安定電力を得るためのフィールド試験の準備段階にあり,ポンプ/水車運転切替のための電力制御装置,蓄電装置および上下部貯水タンク製作も順調に進んでおり,当初の計画どおりに研究は遂行できているものと判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に引き続き,CFD援用によりポンプ水車用として望ましい羽根車/ランナを設計製作し,その妥当性を実験により検証する.また,妥当性を検証した羽根車/ランナについて,ポンプ運転から水車運転およびその逆に急激に変えたとき(回転速度方向の急変)の性能,流体振動,キャビテーション,水撃作用等の非定常問題を明らかにする.さらに,これまでの成果を統合した相反転方式軸流ポンプ水車ユニットモデルを設計製作し,風力発電ユニットと連携したシステムを本学のキャンパスで展開しているグリーンキャンパスプロジェクト構想に組込み,スマートグリッドの一環としての実証試験を行う.
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Research Products
(4 results)