2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23860038
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三島 悠一郎 佐賀大学, 低平地沿岸海域研究センター, 研究機関研究員 (90612664)
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Keywords | ハイドロタルサイト / ゼオライト / リン回収 / 吸着 / 脱着 |
Research Abstract |
本研究では、HT/Zeリン回収法の実証的な検討を目的として、吸着材の造粒化方法並びに性能について検討し、生下水を用いたミニプラント実験を行った。 1)吸着材の造粒化について:ガラス粉末を原料として水熱合成で製造された「ガラス粉末ゼオライト」を用い、セメントをバインダーとして1.0~3.0mm程度の粒状ゼオライトを試験的に製造した。ゼオライトの性能は陽イオン交換容量(CEC)にて評価され、造粒前後のCECはそれぞれ250と100程度であった。市販の造粒ゼオライトも100程度のCECで、十分なアンモニア吸着能を有していることから、試作した粒状のガラス粉末ゼオライトについて引き続き性能評価を行った。ハイドロタルサイトは通常のものよりも結晶子サイズが小さな「ナノサイズハイドロタルサイト(NLDH)」を用いた。これは造粒段階で自己造粒性があり、バインダーを用いることなく造粒化が可能である。性能評価は0.5mm以下、0.5~1.2mm、1.2~2.0mm程度の各種NLDHについて行った。 2)吸着材の性能評価=吸着能の評価は、アンモニア及びリン酸水溶液へセオライトと粒状NLDHをそれぞれ浸し、吸着能を調へた。その結果、両吸着材は目標とする吸着物質を十分に吸着可能なことか明らかとなった。脱着については、アンモニアとリン酸をそれぞれ吸着したセオライトとNLDHをアルカリNaCl水溶液に浸し(共役的脱着)、吸着物質の脱着量を測定した。その結果、吸着したほとんどのアンモニアとリン酸か脱着液中へ脱着されることを確認した。 3)ミニプラント実験:実廃水にはリン酸以外に硫酸、硝酸などの陰イオンも含まれており、これらはNLDHのリン酸吸着へ影響を及ぼす。そこで、実廃水中での吸着材の吸着特性について検討した。NLDHはリン酸以外に硫酸と硝酸も吸着したが、他成分よりもリン酸を優位に吸着することが分かった。またゼオライトもアンモニウムを吸着しており、HT/Zeリン回収法によって実廃水のリン酸及びアンモニウムを吸着可能なことを確認した。
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