2011 Fiscal Year Annual Research Report
災害仮設住宅のための自助建設可能な木質系ボックスユニット構造の開発
Project/Area Number |
23860046
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
小澤 雄樹 芝浦工業大学, 芝浦工業大学, 准教授 (50388120)
|
Keywords | 仮設住宅 / 木質系 / 自助建設 / 災害 |
Research Abstract |
本研究では、自助建設可能な災害仮設住宅のための木質系ボックスユニット構造の開発を目的としている。 ユニットには、自助建設のための施工性と余震に対する耐震性を同時に確保することが肝要である。研究初年度となる平成23年度は、ユニットの仕様検討と施工性の確認を行った。ユニットタイプには、ボックス(箱)型、ラーメン(門)型、及びそれらを連結するためのスラブ(床)型の計3種類があり、特にラーメン型については一方向に壁がないことから慎重な構造的検討が求められる。模型による十分なスタディを行った後、FEMによる数値解析を行った結果、方杖を利用して接合部の固定度を確保することで、一方向に壁のないラーメン型でも十分な剛性・強度を確保可能であることがわかった。ボックス型はラーメン型の解放方向に壁を追加することで、より高い耐力・剛性を容易に得ることが出来る。また、平面的なバランスを考慮しながらラーメン型とボックス型を組み合わせることで、方杖なしで構成し施工をより容易にすることや、3階建てとして建設地の敷地面積を有効利用することも可能であることもわかった。 次に施工性確認実験の予備実験を行った。本ユニットは被災者自身により自助建設することを目的として開発しており、非熟練者により短時間で建設可能なシステムとする必要がある。簡易マニュアルを作成の上、実物大スケールのラーメン型ユニットの部分モデルを非熟練者6人により作成した結果、施工精度の面で改善の必要性は残るものの、金づち・のこぎり等の基本的な工具のみで容易に建設可能であることが確認された。各工程の作業時間等の施工記録を分析することで、作業の効率化を図ることが出来、最低でも1日1ユニット以上を建設可能であることも分かった。ユニットの作業効率を高めることは、災害発生直後に短期間で大量の仮設住宅を供給すると言う仮設住宅本来の目的を果たすために重要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は23年度に構造的検討のポイントとなるフレームの耐力実験を行う予定であったが、実験設備の確保の関係から次年度に持越しとなった。その代り、本来次年度にまとめて実施予定であったマニュアル作成および施工性確認実験の予備実験を23年度中に実施すことが出来、24年度に行う本実験に向けて問題点を事前に抽出することが出来た。総合的に見ておおむね順調に進んでいると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、ラーメン型ユニットを開発する上でポイントとなるフレームの耐力実験を行う。また、施工マニュアルを改善し、予備実験の結果を踏まえて建設プロセスを再検討した後、再度施工性確認実験を行い、提案した建設方法の有効性を確認する。また、作成したマニュアルはWeb上で広く公開できるようにホームページを整備する。
|
Research Products
(1 results)