2011 Fiscal Year Annual Research Report
大容量MRAM対応のL10型規則合金とMgOの極薄積層膜形成技術に関する研究
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23860047
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大竹 充 中央大学, 理工学部, 助教 (60611415)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / ナノ材料 / 結晶工学 / エピタキシャル / 超格子 |
Research Abstract |
次世代不揮発性メモリとして、スピン注入型磁気抵抗メモリ(MRAM)が注目されている。実用化のためには、主要構成要素の磁気トンネル接合(MTJ)の磁気抵抗変化率の増大に加え、MTJ素子特性の均一化が必須であり、結晶方位と原子レベル構造を高度制御したエピタキシャル単結晶薄膜によるMTJの形成が有力候補である。本課題では、MTJの電極材料として硬磁性L1_0型規則合金、トンネルバリアー材料として酸化マグネシウム(MgO)に着目し、1チップあたり4~8GbのMRAM対応MTJのためのエピタキシャル極薄積層膜形成技術の研究を行う。平成23年度は、L1_0型規則合金単層膜形成技術の検討を行った。2元系L1_0型規則合金材料を変化させることにより、規則化温度を低減でき、FePd<FePt<CoPtの順により低い規則化温度が実現できることが分かった。また、FePdを用いることにより磁化容易軸の制御も容易であることが分かった。更に、従来のL1_0型規則合金エピタキシャル膜の形成手法は、高基板温度を用いることによりL1_0構造へ規則化させた膜を形成するものであったが、低基板温度で不規則構造のエピタキシャル単結晶膜を形成し、その後、単結晶膜をアニールすることにより、高規則度を持ち、デバイス応用に最適な超平坦表面を持つL1_0型規則合金エピタキシャル膜を形成できる新手法を開発した。一連の研究成果を、雑誌論文として3件出版し(うち査読付き論文2件)、学術国際会議と国内学術講演会で合計8件発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
硬磁性L1_0型規則合金材料と薄膜規則化温度との関係が明らかになり、薄膜材料としてFePd合金を用いることにより、高規則度を実現でき、かつ、磁化容易軸の制御が容易であることが分かった。また、低基板温度で不規則構造のエピタキシャル単結晶膜を形成し、その後、単結晶膜をアニールすることにより、高規則度を持ち、デバイス応用に最適な超平坦表面を持つL1_0型規則合金エピタキシャル膜を形成できる新手法を開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、極薄状態で高い結晶特性を持つMgO薄膜を形成する技術を開発する。そして、MgO薄膜形成技術と平成23年度に開発を行った硬磁性L1_0型規則合金薄膜形成技術を組み合わせることにより、L1_0型規則合金とMgOを積層させた場合の薄膜形成技術を確立する.
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Research Products
(11 results)