2011 Fiscal Year Annual Research Report
CO2二相流エジェクタの不適正膨張時における効率安定化に関する研究
Project/Area Number |
23860060
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
原田 敦史 石川工業高等専門学校, 助教 (40612023)
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Keywords | 冷凍サイクル / 二相流 / エジェクタ / ヒートポンプ / 超音速流れ |
Research Abstract |
本研究の目的は,CO2二相流エジェクタの不適正膨張時における流れを解明し,様々な条件下においても安定した効率を得ることができるエジェクタの形状を明らかにすることである.本年度は,初年度であるため市販の炭酸ガス給湯器を改造することにより,本実験で使用する冷凍サイクルを製作した.本実験装置は,市販の給湯器を改造して製作したため,圧力や温度などを計測する機器が設置されていない.サイクルの特性を調べる上で,これらの値は非常に重要となるため,圧力トランスミッタ,ブルトン管ゲージ,熱電対などを購入し,熱交換器などの出入口など主要な箇所に設置し,サイクル内を流れる冷媒を計測するため取り付けた.また,蒸発器における空気や凝縮器を流れる水の流量,温湿度値などはサイクル内の熱交換量を計測する上で非常に重要となるため,これらを計測するための風洞などを製作した.製作した冷凍サイクルを用いて,本年度はまず二相流エジェクタと比較するための膨張弁サイクルを稼働させ,サイクル特性を計測した.製作したサイクルは,冷凍サイクルとして稼働されており各種機器を制御することが可能であることが示された.また,二相流エジェクタはSUS平板をワイヤカット放電加工によって切り出すことによって製作した.本年度の研究では,データ数がまだ,十分では無いが,エジェクタ内で昇圧することまでは確認することができた.また,同時に低クオリティ域における超音速二相流解析プログラムを作成した.このプログラムは,運動量,熱,質量輸送が考慮されており,従来のプログラムよりも実現象に近い解析モデルとなっており,駆動流れのノズル出口噴流の特性を明らかにし,本研究によりはじめて二相流エジェクタ内の二相噴流流動特性が明らかにされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度となる本年度は主に実験装置の製作を行なっており,本サイクルは従来の冷凍サイクルと比較して高圧であるため,サイクル製作時の漏れの問題が大きく計画より時間が必要となった.しかし,これらの問題は解決したため,平成24年度以降の研究進展には問題はない.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に製作した実験装置を用いて実験を進行していく.不適正膨張時のエジェクタの性能試験の研究結果を考慮し,様々なノズル条件においても安定した効率を得ることを可能とする設計条件を調べる.また,二相流エジェクタを持つ炭酸ガス冷凍機を運転し,冷凍サイクルの成績係数を実験により求める.冷凍サイクルと二相流エジェクタの性能は,密接に関係している.それぞれの特性を明らかにするため,エジェクタ単独のエネルギ変換効率を明らかにしていく.
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Research Products
(1 results)