2011 Fiscal Year Annual Research Report
新しい座標系を用いた永久磁石同期モータの位置センサレス制御
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23860061
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
大沼 巧 沼津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教 (60613007)
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Keywords | 拡張誘起電圧モデル / パラメータ誤差 / 低速域 / 信号重畳 / 位置センサレス制御 / 永久磁石同期モータ / 最大トルク制御座標系 / ベクトル制御 |
Research Abstract |
本研究では,永久磁石同期モータの制御に適した最大トルク座標系の考え方を用いて,位置センサレス制御の高性能化を検討した.本年度については以下の成果を得た. 1、位置センサレス制御のための信号重畳法に適した拡張誘起電圧モデル モータの停止時・低速駆動時において位置推定を行うためには,モータ電流への信号重量が必要となる.このとき,最大トルク制御座標系を用いることにより,信号電流によるトルク外乱を与えずに位置の情報を得ることができるが,従来から位置の推定に用いている拡張誘起電圧モデルでは,その位置情報を十分に取り出すことができなかった.そこで,この最大トルク制御座標系を用いた信号重畳法に適した新たな拡張誘起電圧モデルを導出し,これを用いて全駆動領域における位置センサレス制御を実現する方法を提案した. 2.パラメーター誤差と位置推定誤差の関係についての理論的検討 拡張誘起電圧モデルを構成するモータパラメータである抵抗とインダクタンスの変動に対する影響の理論解析を行い,各パラメータ誤差と位置推定誤差の関係を明らかにした.解析の結果から,低速域において信号電流を重畳することによって,パラメータ誤差の影響が低減することを計算によって確認した.特に抵抗誤差に対しては低速域で大きく影響が現れるため,信号重畳の効果が顕著であることを示した。この解析結果は,今後の位置センサレス制御のロバスト性向上に繋がる重要な成果である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度中に実験装置を製作しモータ特性試験等の予備実験まで行う予定であったが,実験装置の設計,製作に手間取り,現在製作が完了した段階である.理論的な検討はおおむね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度から新たに研究室に配属された卒業研究の学生の協力を得て,実験装置の立ち上げを行う.また制御用プログラムの流用開発を行い,実験用プログラムの製作を進める.
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Research Products
(5 results)