2011 Fiscal Year Annual Research Report
中性子照射研究に適したセラミックス基モデル複合材料の作製とその界面特性評価
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23860068
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小沢 和巳 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 任期付研究員 (80613330)
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Keywords | 炭化ケイ素基複合材料 / ミニコンポジット / 引張強度特性 / ヒステリシスループ解析 / 単繊維推し抜き試験 |
Research Abstract |
核融合炉構造・機能材料として先進SiC/SiC複合材料の使用を実現させるためには、複合材料の破損挙動を支配する界面力学特性の系統的な評価が照射の有無にかかわらず必須となる。モデル複合材料(ミニコンポジット)はその小さな試験片寸法と、界面力学特性や実効繊維強度が理論的かつ統計的に解析可能であること等から、複合材料の照射研究にとって非常に魅力的なものである。本研究では、中性子照射に適したよりサイズの小さいミニコンポジットを作製しつつ、熱分解炭素界面相を有するSiC/SiC複合材料系の非照射状態における界面力学特性と微細構造との相関の系統的な解明を最終的な目的としている。本年度の主たる成果は以下の通りである。(1)より高精度なひずみ計測が可能であり、アコースティックエミッション法による破損評価も可能なミニコンポジット用の引張試験システムを開発、導入した。作製済のミニコンポジットを用いて引張及び界面強度を評価し、先進SiC繊維-熱分解炭素界面相-SiCマトリックス系の界面力学特性に及ぼす繊維表面粗さならびに炭素界面相厚さの影響を特定した。(2)単繊維押し抜き試験による局所力学的な評価もあわせて実施し、界面相厚さの影響を確認した。(3)比較的低コストでより断面積が小さく試料間のばらつきも少ないミニコンポジットの作製方法について一定の見通しを得た。(4)炭素界面相の微細組織を評価していくにあたり、集束イオンビームと精密イオン研磨装置を併用した透過電子顕微鏡観察用薄膜の作製方法を確立するとともに、微細組織の評価方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度主に予定していた強度特性評価システムの導入が完了し、実際に界面強度が評価できた。新規ミニコンポジットの作製の見通しが立ち、来年度早々にも作製できる状況にした。熱分解炭素界面相の微細組織評価に関わる研究を前倒しで開始した。以上のことから、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、ミニコンポジットを適宜作製していき、界面力学特性を評価していくとともに、透過電子顕微鏡による界面相の微細組織観察を主に進める。最終年度であるため、学会あるいは誌上で研究成果のまとめたものを積極的に発表し、本研究の成果を広く発信する。
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Research Products
(3 results)