2012 Fiscal Year Annual Research Report
イオンビーム照射によるフッ素系高分子材料表面の特異的突起状化現象の研究
Project/Area Number |
23860069
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小川 茜(喜多村茜) 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 放射線高度利用施設部, 博士研究員 (50611183)
|
Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
|
Keywords | イオンビーム照射 / 高分子材料表面改質 |
Research Abstract |
イオンビーム照射法は、化学的修飾が困難なフッ素系高分子材料表層の改質に非常に有効な手法であり、親水化や生体適合性の向上が報告されている。本研究では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の限られたフッ素系高分子材料でのみ生じる突起状の凹凸構造面(ツィンギー構造)の形成に着目し、ツィンギー構造の形成メカニズムの解明と、マイクロビーム照射との組み合わせによる空間制御されたツィンギー構造を作製することが目的である。本年度は、初年度に得た成果である、MeV級プロトンマイクロビームを用いたテフロン(難加工性のフッ素樹脂)表面の三次元微細構造体創製技術を発展させるため、テフロン表面を芝生状構造へと形状変化させる唯一の手法であるkeV級のイオン注入法を組み合わせた新しい三次元微細加工技術の開発を目的とした研究を実施した。代表的な成果は、①イオン注入による表面ツィンギー構造化の前処理としてMeV級プロトンビームの照射を用いることで、ツィンギー構造の中に平滑な面のパターンを作製することに成功したこと、及び②試料内部に空間が形成されるように分解ガスの発生量を制御し、中空構造を作製する手法を見出したことの2点である。化学的に安定なテフロンは産業分野で利用価値の高い材料であるがゆえに、本微細加工法の確立は、産業界に高い経済効果をもたらすことが期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(17 results)