2011 Fiscal Year Annual Research Report
超安定な神経活動計測に向けた脳振動追従型3次元マニピュレータシステムの開発
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23860071
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
太田 桂輔 独立行政法人理化学研究所, 行動神経生理学研究チーム, 研究員 (40610382)
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Keywords | 細胞内記録法 / 行動神経生理学 / 脳振動計測 / 追従制御 / 高速画像処理 |
Research Abstract |
生体内で脳は振動しているにも関わらず、神経細胞の膜電位応答を記録する電極は実験台に固定されている。脳内の情報処理を解き明かすためには細胞内記録法による膜電位変化の記録が必須であるが、この様な測定系では行動中の動物から長期間の安定した神経活動記録を行うことはできない。本研究の目的は、脳振動追従型3次元マイクロマニピュレータシステムを開発することで、行動中の動物から神経細胞の膜電位応答(活動電位とシナプス後電位)を長時間安定して記録することである。 本研究課題の初年にあたる本年度は、以下の研究を実施した。 1.追従する脳振動周波数の同定 レーザ変位計により計測した脳振動を4μm以内の誤差で追従するためには、記録電極先端がおよそ300Hzで動かなければならないことを明らかにした。 2.3次元マニピュレータの開発 まず、1の結果に基づきxyz方向にそれぞれ40μmずつ動くピエゾステージを用意した。ピエゾステージに取り付けるマニピュレータは50g以下でなかればならないため、既存のマニピュレータを軽量化した。ピエゾステージにマニピュレータを固定する機構を整えた。 3.3次元マニピュレータの追従制度評価 脳振動と同様にピエゾステージを動かし(疑似的な脳振動を与え)、記録電極先端の動きをレーザ変位計で計測した。疑似的な脳振動に対して記録電極先端は4μm以下に収まって動くことが明らかになった。 4.高速な信号処理を行うFPGAの開発 3つのレーザ測定器から得られる信号の座標変換と、レーザ変位計が受光エラーを示した時に変位計本体にエラー状態を解除する電圧信号をマイクロ秒の精度で実行するシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画はすべて実行し終え、現在は平成24年度に遂行予定であった研究を行っている。装置開発を一通り終わり、本システムの動作検証を行った。現時点では本システムはまだ正常に稼働できていないため、生理実験を行えていないが、当初の研究計画よりも早いペースで進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、レーザ変位計またはレーザドップラ振動計を用いて脳振動を計測することを考えていた。しかし、この方法では長時間の脳振動計測に不向きであることが明らかになった。レーザ変位計は受光エラーが生じ易く、一度受光エラーが生じててしまえば計測復帰までに時間がかかってしまう。また、レーザドップラ振動計ではオフセット成分の重畳により速度の直流成分を長時間正確に計測できない。そこで現在では、高速ビジョンシステムによる脳振動計測を検討している。直径50μmのマイクロビーズを脳に置き、ビーズの動きを2台の高速度カメラで撮影する。撮影した映像を高速に解析することで脳振動を3次元計測する。既に計測方法の決定・高速度カメラの選定のために予備実験を進めている。
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