2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化機構の発現に及ぼす制限要因の特定:社会性昆虫を例に
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23870003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菊地 友則 千葉大学, 海洋バイオシステム研究センター, 准教授 (80608547)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 自己組織化 / 社会性昆虫 / コロニーサイズ |
Research Abstract |
社会性昆虫にみられるコロニーサイズ認識に関わる自己組織化機構を明らかにするために、以下の2つの実験を行った。まず始めに、コロニーサイズ認識の前提となるこれまでコロニーサイズ依存的行動の有無を実験的に検証した。これまで、多数の種で性比や活動性、敵対行動レベルに関してコロニーサイズ依存的変化が報告されているが、いずれもコロニーサイズの異なる複数のコロニーを用いた相関関係にすぎず、実際にコロニーサイズをコントロールして得られた結果ではない。そこで、トゲオオハリアリのコロニーを10コロニー野外から採集し、コロニーサイズを175~25まで変化させ、女王のパトロール行動頻度とワーカー間の順位行動頻度との関係性を調査した。その結果、パトロール行動、順位行動頻度ともにコロニーサイズと正の相関がみられた。しかしながら、増加パターンはこれまで報告されているような単純な増加パターンを示さず、コロニーサイズ125付近を閾値としたシグモイド型となった。これは、ワーカーポリシング強度や繁殖虫の生産されるコロニーサイズと近く、特定の集団サイズで社会を制御するメカニズムが離散的に変化し、それにともない様々なコロニーレベルの表現型が影響をうけることを示唆している。 次に、繁殖ワーカーの存在が女王のパトロール行動に影響を及ぼすのかどうか調査した。コロニーを分割し人為的に繁殖ワーカーを作り出し、それを0,25,50%の比率で元のコロニーに導入し、女王のパトロール行動の変化を観察した。その結果、コロニー内の繁殖ワーカー数が増えるほどパトロール行動の頻度も増加した。このことは、繁殖ワーカーの存在が女王のパトロール行動を促す刺激となっていることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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