2012 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌の光ストレス応答に迫る~光センサー蛋白質YtvAの反応分子機構の解明
Project/Area Number |
23870015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中曽根 祐介 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00613019)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | YtvA / LOV / 光ストレス応答 / 枯草菌 / 光反応 / STAS / 過渡回折格子法 / 国際情報交換オランダ |
Research Abstract |
生命活動の維持において環境ストレスに対する応答は重要であり、遺伝子発現のオンオフ調節がその基本的なメカニズムになっている。土壌細菌である枯草菌は、すでに全ゲノム解析がなされており、シグマ因子と呼ばれる転写因子群が環境応答に重要であることがわかっていたが、その制御機構は謎に包まれていた。そこで我々は、光ストレス応答を制御する青色光センサータンパク質YtvAを取り上げ、光情報をどのように認識し下流へ伝達するのかを分子レベルで解明することを目指した。具体的には、光受容を担うLOVドメインや活性部位であるSTASドメイン、これらをつなぐlinkerドメインの構造変化を過渡回折格子法を用いて時間分解検出した。 その結果、LOVドメインが光依存的に会合・解離する過程を捉えることに成功し、ドメイン間相互作用の重要性を明らかにした。またlinkerドメインのヘリックス構造が光励起により回転する様子も時間分解検出し、これはSTASドメインへの光情報伝達を担う反応であると考えられる。全長蛋白質は溶液中で6量体と2量体の平衡状態にあり、6量体内部では蛋白質間の相互作用変化が光誘起されることも見出した。実際の生体内でもストレス受容蛋白質は複合体を形成することがわかっているため、観測された多量体形成はYtvAが複合体に組み込まれて機能することを示唆しているのだろう。さらに高塩濃度環境下では平衡が2量体に大きく偏ることも見出し、信号伝達過程に塩濃度の影響があることがわかった。実際に塩ストレス存在下では光ストレス応答が増幅されることが生理学的実験により報告されているため、平衡定数の塩濃度依存性がその要因であると考えている。以上観測された光反応を基に実際の生理活性を評価することも行い、暗回復の速度が生理活性と密接な関係を持つことも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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