2012 Fiscal Year Annual Research Report
鶏の暑熱適応における脱共役タンパク質の生理的役割および発現制御メカニズムの解明
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23880003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
喜久里 基 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90613042)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 暑熱ストレス / 活性酸素 / ミトコンドリア / UCP / オリーブオイル / オレウロペイン / プロトンリーク |
Research Abstract |
急性暑熱ストレスによって、肉用鶏の骨格筋ではミトコンドリア活性酸素種(mitROS)の産生量が増加し、脂質過酸化やタンパク質カルボニル化が増加する酸化ストレス状態に陥る。これまでにmitROS過剰産生は膜電位上昇によって生じ、この上昇にはミトコンドリア脱共役タンパク質(UCP)の発現低下にともなうプロトンリーク能の低下が関与していることが明らかになっている。H23年度では、avian UCP発現が先天的に高い産卵鶏を暑熱感作してもUCP依存性プロトンリーク反応は低下せず、さらにmitROS産生も低く抑えられることを示した。本年度においては、UCP発現上昇作用を有するオリーブオイルならびにその成分の一つであるオレウロペイン(ポリフェノール)を2週齢肉用鶏に10日間給与し、急性暑熱時のmitROS過剰産生・酸化損傷が制御できるか否かを調べた。精製オリーブオイルを12%含む飼料を給与した鶏では、対照区(大豆油12%含)に比べ、急性暑熱感作(34℃、12h)にともなうmitROS産生量の増加が一部抑制され、さらに脂質過酸化(TBARS/g lipid)も抑制された。さらにオリーブオイルに加えオレウロペインを10ppm添加した区では、24℃対照区のレベルまでは制御できなかったものの、mitROS産生・脂質過酸化はともにオリーブオイル単独給与区に比べ有意に低いことが示された。また、暑熱時のavUCP遺伝子発現量はオリーブオイル単独給与区では対照区に比べ上昇する傾向が認められ、オリーブオイル+オレウロペイン添加区ではさらに上昇していた。以上の結果より、急性暑熱時においてもavUCPが高く発現した肉用鶏の骨格筋ではmitROS過剰産生・脂質過酸化が抑えられることが示され、avUCPは暑熱時の酸化ストレス制御において重要な因子である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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