2012 Fiscal Year Annual Research Report
ストリゴラクトンの植物界における起源および植物体内における分布の解明
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23880005
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
謝 肖男 宇都宮大学, 雑草科学研究センター, 助教 (30610323)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 植物 / 生理活性 |
Research Abstract |
本研究ではストリゴラクトン(以下SLと省略)と呼ばれる化合物群を研究対象とする。SLは、植物体内では地上部の枝分かれを制御する植物ホルモンとして機能し、植物の根から土壌根圏に放出されるとアーバスキュラー菌根菌およびストライガやオロバンキなどの根寄生雑草の宿主認識シグナルとして働いている。本研究では、植物界におけるSLの起源、本来の生理機能を明らかにするため、昨年までは陸上植物の進化では最も基部に位置するとされるコケ植物のヒメツリガネゴケ(セン類)およびゼニゴケ(タイ類)が生産するSLの探索を行った。SLの起源および植物界における分布をより明確にするため、セン、タイ類植物より少し進化したシダ植物が生産するSLの解明を行った。 実験方法は、シダ植物としてはゲノム解析の終了しているイヌカタヒバ(Selaginella moellendorffii)を用いた。イヌカタヒバを水道水により水耕栽培し、根からの滲出物を活性炭に吸着させ回収した。活性炭吸着物質をアセトンで溶出し、溶出物を酢酸エチル‐水で分配後、0.2 M K2HPO4水溶液処理により酸性物質を除去した。得られた酢酸エチル可溶中性(NE)区をシリカゲルクロマトグラフィーで精製後、LC-MS/MSおよびGC-MSを用いて分析した。また、HPLCで分画し、各画分のヤセウツボ種子に対する発芽刺激活性を検定した。 LC-MS/MSおよびGC-MS分析により、イヌカタヒバが既知のSLであるorobanchol, orobanchyl acetateおよび5-deoxystrigolを生産していることが確認された。また、GC-MSおよびヤセウツボ種子に対する発芽刺激活性の結果では、イヌカタヒバが既知SL以外に、少なくとも4種類の新規SLが生産していることが示唆した。現在はこれら新規SLの探索を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)