2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23880014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉永 直子 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40456819)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 鱗翅目幼虫 / 窒素代謝 / FACs / アミノ酸 / 腸管 / Orbitrap |
Research Abstract |
本研究では鱗翅目幼虫の窒素代謝を支える腸内物質FACsに注目し、その生合成メカニズムをカイコ幼虫などを用いて探索した。 まず、カイコ中腸細胞から精製・分画した縮合活性画分に含まれるタンパク質をトリプシン消化した後、PMFにより同定を試みた。その結果、Aminopeptidase Nと推定されたが、これは4年前にタバコスズメ幼虫中腸から精製した縮合活性タンパク質と同じである。但し、活性画分には他に同定できなかったタンパク質が少なくとも3種混在していたことから、そのトリプシン消化物を電場型フーリエ変換質量分析機器(Orbitrap/LCMS)にてMSMS測定し、より高精度なMSスペクトルを得た。しかしながら、明瞭なMSデータにもかかわらずデータベースに相同性のあるタンパク質が該当せず、鱗翅目幼虫中腸タンパク質に関するデータベースの貧弱さが壁となっていることが明らかとなった。そこでデータベースを要しないプロテインシーケンサーによるアミノ酸配列の同定を試みたが、目的蛋白質のN末端がブロックされていた。現在はトリプシン消化ペプチドを精製して再度プロテインシーケンサーで内部配列解読を試みている。 カイコはFACsを持たない種として知られていたが、カイコ中腸を基質とインキュベートするとFACsがin vitroで生合成する。ところが、同じくFACsを持たないマダラガ科ルリイロスカシクロバを用いた実験では、FACsは生成しなかった。このことから、表現型としてFACsを持たない種には2通りあることが明らかとなった。カイコは近縁種がいずれもFACsを持つのに対して、ルリイロスカシクロバ近縁種ではFACsが見つからなかったことからも、カイコは家畜化の過程でFACsを作らなくなった可能性が考えられた。祖先種であるクワゴでのFACs生合成能の有無を調べたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)