2012 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸菌バクテリオシンの腸内動態解明に向けた基礎的検討
Project/Area Number |
23880019
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荒川 健佑 岡山大学, 大学院環境生命科学研究科, 助教 (50609930)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 乳酸菌 / バクテリオシン / 抗菌ペプチド / Lactobacillus gasseri |
Research Abstract |
【背景と目的】 乳酸菌の産生する抗菌ペプチドであるバクテリオシンは、安全なバイオプリザバティブとして食品保蔵等に有用であるとされる。また、プロバイオティック乳酸菌の産生するバクテリオシンは、宿主であるヒトや家畜等の哺乳動物の腸内細菌叢に影響を与える一因子として考えられている。そこで本研究では、ヒト小腸内優勢乳酸桿菌種であるLactobacillus gasseriの多くの株が産生する二成分性バクテリオシンであるガセリシンTに着目し、その腸内動態を解明するための第一歩として、ガセリシンTの構造や生合成機構に関わる遺伝情報を明らかにすることとした。 【研究経過と成果】 昨年度、HPLCを用いてガセリシンTを精製したと報告した。しかし、本年度、HPLCで分離した抗菌活性画分をSDS-PAGEに供したところ、夾雑と思われるピークが微かに確認された。また、得られた抗菌活性画分を用いたN-末端アミノ酸配列分析では明確な結果を得られなかった。このことから、ガセリシンTは完全に精製されていないことが判明した。一方、昨年度得られたガセリシンT生合成関連遺伝子群を種々のプログラムやデータベースで解析したところ、本遺伝子群は他のLactobacillus gasseriや近縁のLactobacillus johnsoniiにも類似の配列が存在することが明らかとなった。このことは、ガセリシンT生合成関連遺伝子群およびその類似遺伝子群が小腸内優勢の乳酸桿菌に広く分布していることを示し、小腸内でガセリシンTおよびその類似バクテリオシンが分泌されている可能性を示唆するものであった。以上の結果は、腸内細菌由来のバクテリオシンによる宿主の腸内細菌叢および健康への影響を解明する上で今後重要な知見となると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] 二成分性バクテリオシン「ガセリシンT」のGxxxGモチーフが抗菌活性に及ぼす影響.
Author(s)
安田成美, 川井泰, 伊藤喜之, 荒川健佑, 中村圭志, 鈴木はるか, 郭暁艶, 水谷陽, 西村順子, 北澤春樹, 齋藤忠夫.
Organizer
日本乳酸菌学会2012年大会
Place of Presentation
つくば国際会議場(茨城県)
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