2011 Fiscal Year Annual Research Report
分野横断型アプローチによる非モデル糸状菌からの新規二次代謝産物の獲得
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23880025
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
中沢 威人 静岡県立大学, 薬学部, その他 (80608141)
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Keywords | 糸状菌 / 天然物化学 / 二次代謝 / 遺伝子工学 / ケミカルジェネティクス |
Research Abstract |
本研究課題は、多様な糸状菌の不活性型二次代謝産物生合成遺伝子クラスターから合成される化合物を取得するための汎用的手法を整備することを目的としている。 1.異種発現システムの構築:Aspergillus nigerとAspergillus oryzaeを用いた誘導発現システムを構築した。A.nigerにおいてスクロース誘導による6-メチルサリチル酸の生産に成功した。同様にAspergillus oryzaeにおいても、でんぷん誘導による化合物生産システムを構築した。これによって、新規化合物を含む複数の天然物の誘導生産に成功した。上記に加えて、出芽酵母を用いた異種発現・物質生産システムも構築した。以上より、本研究課題遂行に必要となる異種発現システムを整備することができた。 2.エピジェネティック阻害剤の効果:3種類のDNAメチル化およびピストン脱アセチル化阻害剤を加えた培地で、様々な糸状菌で試した。その結果、トリコスタチン添加の場合に多くの化合物の生産・生合成遺伝子の転写発現の活性化が確認できた。その中で、Chaetomium globosumにおいてトリコスタチン添加によって転写活性化するCHGG_10127のPKS遺伝子について、その全長ORFのcDNAを獲得した。これを酵母で発現させたところ、化合物の合成が確認できた。続いて、単離構造解析を行った。以上から、本研究課題の一連の研究計画が上手く機能することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画書とは、実験手順が入れ替わった箇所がある。しかし、個々の実験は当初の予定を遥かに上回るペースで進行させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題に必要な実験システムは全て確立し、ノウハウも蓄積した。あとは、エピジェネティック阻害剤の誘導体化による最適条件を決めつつ、順次活性化した休眠型生合成遺伝子を異種発現させることによって、化合物を取得していくのみである。
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Research Products
(14 results)