2012 Fiscal Year Annual Research Report
極長鎖脂肪酸伸長因子HACD1の生理的役割と筋変性疾患発症メカニズムの解明
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23890001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 祐介 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (50611498)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 極長鎖脂肪酸 / 筋分化 / HACD / ミオパチー |
Research Abstract |
本研究の目的は,極長鎖脂肪酸伸長サイクルにおける脱水反応を担うHACDファミリーのうち,筋組織特異的に発現するHACD1の生理的役割を明らかにすることである。 HACDファミリーの4種のアイソザイムの基質特異性を,酵母発現系を用いた解析行ない,HACDファミリーの基質特異性を初めて明らかにした。HACD1およびHACD2は炭素数16(C16)からC26までの飽和脂肪酸の伸長反応を連続して触媒することができるものの,HACD3はC16:0からC22:0まで,HACD4はC16:0からC18:0までしか伸長できなかった。今後は多価不飽和脂肪酸も用いた基質特異性解析を行なう予定である。 Hacd1 KOマウスを完成させ,Hacd1のin vivo解析を行なった。Hacd1 KOマウスはメンデルの遺伝の法則に従って生まれたが,1ヶ月齢,3ヶ月齢のマウスをそれぞれ解析したところ,Hacd1 KOマウスは野生型マウスに比べ体重,筋肉量が30%減少していた。また,KOマウスでは骨格筋の収縮力が30%減少し,自発運動量も50%に低下していることを見出した。また,骨格筋を組織染色により解析したところ,筋繊維の直径が低下していることが明らかとなった。また,in vitroにおけるHacd1 KOマウスの解析も行なった。Hacd1 KOマウスの肝臓,心臓,骨格筋の3-ヒドロキシC16:0に対する脱水活性を解析したところ,肝臓,心臓では活性に変化は無かったものの,骨格筋では野生型の50%にまで活性が低下していることを見出した。今後はマウスをより長期間生育させた場合の骨格筋の機能解析や,筋組織における脂質組成の網羅的解析により,筋肉における極長鎖脂肪酸の生理的役割をさらに詳細に解明していくことを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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