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2011 Fiscal Year Annual Research Report

変異細胞と正常上皮細胞の境界で起こる現象の解明

Research Project

Project/Area Number 23890003
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

梶田 美穂子  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (00607442)

KeywordsSrc / 上皮細胞 / vimentin / filamin A
Research Abstract

SrcもしくはRasV12変異細胞が正常上皮細胞に囲まれた場合、変異細胞は正常細胞層の頭頂側へ押し出されるが、その分子メカニズムは不明であった。私はスクリーニングを通じて、Src変異細胞に接している正常上皮細胞内で中間径フィラメントのvimentinが変異細胞をはじき出す現象をポジティブに制御していることを発見した。23年度は、1)vimentinの制御機構を分子レベルで解明するためのさらなるスクリーニングを行うと共に、2)vimentinによって変異細胞が押し出される現象を経時的に解析した。使用する細胞株は正常上皮細胞としてMDCK細胞、変異細胞として主にSrc変異MDCK細胞を用いた。1)について、抗リン酸化チロシン抗体を用いて、正常細胞とSrc変異細胞の境界で特異的に免疫沈降される分子を探索した結果、アクチン結合タンパク質であるfilamin Aを同定した。Filamin Aは正常細胞とSrc変異細胞の境界において、vimentinと同様に正常細胞側において変異細胞を取り囲むように集積していることが分かった。さらに周りの正常細胞からfilamin Aをノックダウンすると変異細胞が頭頂側へ押し出される現象が顕著に抑えられたことから、周りの正常細胞におけるfilamin Aはこの現象をポジティブに制御していることがわかった。2)では、GFP-vimentinを発現したMDCK細胞とSrc変異細胞を混合し、タイムラプスによってGFP-vimentinの挙動を経時的に観察した。その結果、変異細胞の周りの正常細胞内におけるvimentinの集積には、holding-arm様集積とspike様集積の2種類があることが分かった。また変異細胞が細胞層からはじき出された後はvimentinの集積が速やかに解消され、vimentinは変異細胞を認識して特異的に集積することが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り、スクリーニングによってvimentinを制御している分子filamin Aの同定に成功し、filamin Aは変異細胞が正常上皮細胞の頭頂側にはじき出される現象に重要な役割を果たしていることも明らかにした。さらに変異細胞の周りの正常細胞内におけるvimentinの挙動を経時的に観察することにより、正常細胞が2種類のvimentin-richな突起を伸ばして変異細胞を押し出し、変異細胞を押し出した後はvimentin集積は速やかに解消することが判明した。これらの現象は周りの正常細胞が変異細胞の存在を感知し、排除するために積極的に反応していることを示唆する非常に興味深い現象である。これらの結果を1年で取得できたことは本研究が順調に進展していることを示すものである。

Strategy for Future Research Activity

正常細胞と変異細胞の境界において、新たに同定したfilamin Aとvimentin がどのように相互作用するのかを明らかにすることによって、正常細胞と変異細胞がどのようにお互いを認識しているのか、さらなる分子メカニズムの解明に迫る。またfilamin Aやvimentinの集積が生体レベルでも起こるのかを明らかにするためにゼブラフィッシュ胚を用いて検証する予定である。

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Published: 2014-07-24  

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