2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23890004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
足立 義博クリストファー 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 博士研究員 (10616204)
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Keywords | MDA5 / RIG-I |
Research Abstract |
ウイルスが細胞へ侵入する際、宿主細胞の細胞質においてRIG-1(retinoic acid-induciblegene-I)やMDA5(melanoma differentiation-associated gene 5)がウイルス特有の二重鎖RNAを認識し、自然免疫系を賦活化させることが知られている。RIG-Iは短鎖、MDA5は長鎖を特異的に認識することが知られているが、RIG-IとMDA5の二重鎖RNAの認識に関わる領域は相同性があり、この領域だけで短鎖と長鎖を区別しているしくみは説明しがたい。おそらくMDA5には長鎖を認識するための何らかの新しい機構がさらに存在していると考えられる。この点については十分に解明されていない。 本研究では,MDA5とともに長鎖二重鎖RNAを認識する新たな分子機構の詳細な解明を行った結果、長鎖二重鎖RNA(poly I:C)とSCI2が結合する事を同定した。 長鎖二重鎖RNA(poly I:C)末端をビオチン化し、担持体ストレプトアビジン融合ビーズに固定し、pull-down assayを行った。この結果よりSCI2と長鎖二重鎖RNA(poly I:C)がin vitroにおいて会合する事が明らかになった。 さらに、SCI2を過剰発現、ノックダウンした系において、SCI2が細胞内RNA(poly I:C)により活性化される自然免疫経路における「正の制御因子」としての役割が示唆された。 これらの事から、SCI2はウイルスが細胞に侵入を防御する自然免疫機構において非常に重要な役割を担っている事が明らかにされた。 今後の課題としては、RNAウイルス感染におけるSCI2関与の検討、さらに同様に長鎖二重鎖RNAを認識するMDA5との相互作用の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長鎖二重鎖RNAと結合する新規タンパク質の同定に時間を要した。 研究計画では長鎖二重鎖RMA(poly I:C)末端をビオチン化し、担持体ストレプトアビジン融合ビーズを用いて質量分析装置での新タンパク質の同定を経過していたが、新たなタンパク質を見いだす事が出来なかった。 そこで、pu11-down assayを行い、長鎖二重鎖RNAと結合する新規タンパク質SCI2を同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題としては、 1.RNAウイルス感染におけるSCI2関与の検討 2.同様に長鎖二重鎖RNAを認識するMDA5との相互作用の検討 3.架橋試薬と質量分析装置を用いた新規タンパク質SCI2のRNA結合部位の解明 4.MDA5を介する免疫応答活性を検討するためのウイルス感染実験 を随時行っていく予定である。
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