2011 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いた頭頚部腫瘍における定量的血管支配・活動性マップの開発
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23890007
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤間 憲幸 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (80431360)
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Keywords | 画像 / 癌 / 解析学 |
Research Abstract |
初年度はまず、MRI(ASL法)のボランティア撮像を行い、撮像データを解析することにより定量的血管支配・活動性マップの基礎開発および精度検証を行った。血管支配マップに関しては、左右の総頚動脈ごとに血液のラベルを行い、解剖学的に左右に血流が分割されている様子の画像化について検証した。また、内頚動脈と外頚動脈に分けて血液ラベルを行い、脳実質および側頭筋群とに血流が分かれている様子を画像化出来ているかを検証した。いずれもそれぞれの領域ごとの血管支配領域を描出することが可能であった。活動性マップに関しては、咀嚼筋の運動直後と安静時で、血流の変化が描出、出来るかどうかの検証を行った。これも運動直後の血流上昇を画像の信号上昇としてとらえることが可能であった。 ボランティアの検証の終了後に、頭頸部腫瘍患者における撮像を行った。動注化学療法治療前、および治療中、治療後にそれぞれMRI(ASL法)の撮像を行い、それぞれの時期における定量的血管支配・活動性マップを作成した。このデータを用いて、腫瘍の血管支配領域、および腫瘍の活動性の相関に関して検討中である。血管支配領域に関しては、動注治療中に施行される動注CTにて、選択的に造影された血管支配域と、選択的にラベルしたマップでの血流領域とで合致しているかどうかを検証する。活動性に関しては、治療期間中ででは、マップによって算出されたその時の腫瘍血流量と、その直後に施行された血管造影における腫瘍濃染像の強さとの相関を検討する。治療後では、治療後の残存腫瘍ないし瘢痕組織の血流量をマップで算出し、その血流量の程度と、経過観察で判明する再発病変の有無との相関を検証する。患者データに関しては、またサンプルサイズが十分ではなく、次年度も継続して検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ボランティアを用いたMRIの撮像、マップの作成およびマップの検証も、研究前に考案していた仮説通りの結果が得られ、迅速に患者への検証へ移行することが出来た。患者データに関しては、まだサンプルサイズが小さく、有意差等の結果は出ていないが、現時点では、それぞれの患者のマップ画像の視覚的な評価では研究前に考案していた仮説にほぼ一致した結果が得られている。論文はまだ作成されていないが、国際学会を含め、初期報告としての学会発表はすでに終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
頭頸部腫瘍患者における定量的血管支配・活動性マップの作成およびその検証を当初の計画通りにさらに進めてゆく。現時点で問題点は特に認められないが、問題が生じたら、その都度対処していく。
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Research Products
(2 results)