2011 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋顔面形態異常におけるゲノムワイドな遺伝的関連解析
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23890011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斉藤 文男 北海道大学, 大学病院, 医員 (00612889)
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Keywords | ゲノム / 形態異常 |
Research Abstract |
不必要な成長のコントロールや外科手術を回避するというテーラーメイド医療を可能にするためには、原因遺伝子の簡便な遺伝子診断の開発が必要と考えられるが、今回の研究結果よりこの開発に多大に貢献することが本研究の目標である。この目標を達成するために本研究では、顎変形症(不正咬合の重篤なもの)を有するモデル動物、さらには患者よりゲノムDNAを調整し、顎変形症の原因遺伝子が全ゲノム領域のどの位置に座位しているかを明らかにし、さらに原因遺伝子を同定することを目的とする。 今年度はモデル動物の飼育は行わず、ヒトにおけるサンプルのみのスクリーニングを行った。理由としてモデル動物に経費を費やすとヒトに対しての研究費が切迫するため、どちらも着手して中途半端に終わるのを避け、限られた時間を有効に使うためである。まずは北海道大学病院を受診した顎変形症患者のうち、ゲノム倫理委員会の承認のもとに同意・承諾を文書で得られた者より、血液一般検査時に血液を採取し、DNA抽出キット(QIAGEN社)を用いてヒトゲノムDNAを調製し、マイクロサテライトマーカーを用いたpooled DNAタイピングにより特定することを試みた。平成23年度は東海大学にて一次スクリーニング、二次スクリーニングまですでに終了した。今後はIndividual Typingに移行する予定である。これにより原因遺伝子が存在すると考えられる既知の遺伝子について、塩基配列差を同定する。続いて、その遺伝子がどのような機能(既知のタンパク質をコードしているかを含めて)を果たすかを、機能解析を行うことによって明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル動物であるマウスを用いた研究は保留中だが、ヒトのサンプルが順調に集まり、今年度には一次スクリーニング、二次スクリーニングが終了しつつある。今後はIndividualTypingをすすめ遺伝子の同定に着手したい。また大学では診療があるため数か月に1度のペースで東海大学に通って実験しているが、東海大学での連携もうまくとれ、実験も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はヒトのサンプルで研究を進め、IndivisualTypingを行い、遺伝子の同定を目標に見据えている。また関係する様々な学会に足を運び世界の動向を見定め、他の研究者との交流を図ることで本研究の内容を充実させようと考える。もちろん国内外の学会にて研究発表し、本研究の価値を外へ発信していきたい.
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Research Products
(2 results)