2012 Fiscal Year Annual Research Report
プラスミノーゲン活性化抑制因子阻害薬を用いたマクロファージ浸潤炎症誘発機構の解明
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23890019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市村 敦彦 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10609209)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 免疫学 / 薬理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、既に取得しているPAI-1 阻害薬開発候補化合物がマクロファージ浸潤及びそれに伴う組織の炎症を抑制出来ることを示し、多発性硬化症といった炎症性疾患に対する治療効果を確認し、その分子機構を解明することである。 本研究では、マクロファージ浸潤抑制効果を発揮し、病態モデルにおける抗炎症・治療効果を示す知見が得られ、論文を発表することで研究目標を達したとする。昨年度までの研究によって、PAI-1阻害薬により、in vitroおよびin vivoでマクロファージの遊走を阻害できることを見出していた。今年度は、より実際の病態に近い、抗Thy1 ラット腎炎モデルにおいてPAI-1阻害薬を投与することで、その病態を寛解できるか否かを検討した。その結果、PAI-1阻害薬投与により、腎糸球体に対するマクロファージの浸潤を抑制し、炎症を寛解出来ることを見出した。また、炎症のみならず、微小血栓の形成や上皮傷害の寛解といった幅広い薬効が発揮されることを見出した。これらの結果から、PAI-1阻害薬が新しいクラスの抗炎症・抗腎臓病薬としての可能性を持っていることが明らかとなった。また、in vitro結合阻害実験により、マクロファージ膜上に存在する膜貫通分子LRP1とPAI-1が相互作用することで遊走が惹起されていること、またPAI-1阻害薬がこの相互作用を阻害することを見出した。これらから、PAI-1がマクロファージを誘引する分子機構を明らかとし、PAI-1阻害薬の新たな薬効を発見した。以上の知見をArteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biologyに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)