2012 Fiscal Year Annual Research Report
人工多能性幹細胞を用いた高効率エナメル芽細胞分化誘導法の確立
Project/Area Number |
23890022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新垣 真紀子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80610675)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 人工多能性幹細胞(iPS細胞) / エナメル芽細胞 / アメロブラスチン / 歯原性上皮細胞 / 歯の再生 |
Research Abstract |
歯科領域において、未だ歯の細胞や組織の再生を応用した治療技術は確立していない。ヒトの歯の再生医療を目的として、人工細胞や人工歯胚を再構築し応用するためには、自家移植可能でヒトの歯冠を形成するのに十分数の歯原性細胞を調達する必要がある。そこで、我々の研究グループでは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から歯原性細胞、中でもエナメル質を形成するエナメル芽細胞を高効率に誘導するシステムの確立を本研究の目的とした。 我々の研究グループでは、以前から歯原性上皮細胞からエナメル芽細胞への分化維持には、エナメル芽細胞が分泌する細胞外基質アメロブラスチン(Ambn)が重要であることを明らかにしている。そこで、マウス由来iPS細胞とAmbnを高発現する歯原性上皮細胞SF2-24との共培養系ならびにSF2-24の培養上清による分化誘導系を行った結果、iPS細胞の一部をエナメル基質であるAmbnおよびエナメリンを発現する歯原性上皮細胞に分化させることに成功した。 また、iPS細胞をAmbn低発現歯原性上皮細胞の培養上清で培養した結果、iPS細胞におけるAmbn発現は認められなかった。さらに、SF2-24培養上清による培養時に、神経栄養因子であるNT-4の抗体を加えた結果、Ambnの発現が顕著に阻害されていた。本結果より、分化誘導に用いた歯原性上皮細胞SF2から分泌される誘導因子として、AmbnやNT-4がエナメル芽細胞への分化過程で重要な役割を担っていることが示唆された。これらの因子を用いてより高効率のエナメル芽細胞分化誘導法の確立に繋がると考えられる。 ヒトのエナメル芽細胞はエナメル質形成が完了すると消失してしまうため、本研究により得られるiPS細胞由来歯原性上皮細胞は、エナメル芽細胞の分化メカニズムの解析に有効であり、将来的なエナメル質再生、人工歯胚再構築実現の可能性をもたらすと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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