2011 Fiscal Year Annual Research Report
巨大VLDLの産生機構の解明とその制御による新規高脂血症治療法の開発
Project/Area Number |
23890039
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡崎 啓明 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80610211)
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Keywords | 脂質 / 糖尿病 / 動脈硬化 / 高中性脂肪血症 / 超低比重リポ蛋白 / 動脈硬化惹起性リポ蛋白 / インスリン抵抗性 / 転写因子 |
Research Abstract |
巨大VLDLは、動脈硬化の危険の高い糖尿病性脂質異常症の特徴で、動脈硬化惹起性の高いsmall,dense LDLの前駆体とされ、その制御は重要な治療課題である。申請者らは最近、巨大な超低比重リポ蛋白(巨大VLDL)産生の分子機構を、薬理学的系を用いて初めて明らかとした。即ち、オーファン核内受容体Liver Xreceptor(LXR)のアゴニスト刺激による巨大VLDLの産生には、脂肪酸・中性脂肪代謝を制御する主要な転写因子である、ステロール調節配列結合蛋白-1c(SREBP-1c)が必須であることを解明した。これまでの研究において、SREBP-1cの標的遺伝子の一つである、リン脂質転送蛋白(PLTP)が、巨大VLDLの産生に特に重要な役割を果たすことを申請者は見出している。 これに基づき、本研究では、このPLTPが巨大VLDLの産生に必須な役割を果たすのかに答えるため、PLTPのin vivoでのノックダウン系を構築し、巨大VLDL産生におけるPLTPの役割を追求することを主要目的の一つとしている。平成23年度は、PLTPの発現抑制のためPLTPを標的とするshRNAの組み換えアデノウィルスのためのコンストラクトを作成し、今後のin vivoでのPLTPノックダウン実験の準備を整えた。 本研究のもう一つの主要目的は、SREBP-1cを介する巨大VLDL産生機構の、原発性脂質異常症や加齢性脂質異常症のような病態生理的状態における重要性をin vivoで解明することである。平成23年度は、この解析の為にはアポリポ蛋白A5欠損症マウスモデルが有用であることを確立した。 これらにより、今後以上の系において、SREBP-1c-PLTP経路の巨大VLDL産生における役割をin vivoで解明する準備を整えた。
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