2011 Fiscal Year Annual Research Report
イミキモド誘発乾癬モデルマウスを用いた乾癬におけるIL-27の役割
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23890043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 彩 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50613105)
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Keywords | 乾癬 / IL-27 / イミキモド |
Research Abstract |
本研究を遂行するにあたり、まず、イミキモド誘発乾癬モデルマウスの作成を試みた。剃毛したBALB/cマウスの背部皮膚にイミキモド(125mg/日)を6日間連日外用したところ、浸潤を触れる紅斑および鱗屑といった乾癬様皮疹が肉眼的に誘導されることを確認した。また、組織学的にも表皮肥厚、錯角化、真皮炎症細胞浸潤といった乾癬に特徴的な所見が誘導された。次に、イミキモド誘発乾癬モデルにおいて、IL-27が関与しているかどうかを検討するため、イミキモド連日外用後のマウスの背部皮膚の凍結切片を用いて、抗IL-27p28抗体の免疫染色を施行したところ、真皮に浸潤している細胞の一部にIL-27p28が陽性であった。さらに、染色された細胞の種類を同定するため、IL-27p28染色と樹状細胞のマーカーCD11cまたは単球のマーカーMHCIとの2重染色を行った。IL-27p28陽性細胞はCD11cおよびMHCII陽性であり、IL27産生細胞は真皮樹状細胞であることを確認した。次に、イミキモド連日外用におけるIL-27産生能について、real-time PCR法を用いて、定量的に評価した。イミキモド外用開始前、2日後、4日後、6日後において、IL-27のサブユニットであるIL-27p28およびEBI3のmRNAの発現を経時的に検討したところ、両サブユニットとも経時的に発現の上昇がみられた。これらの結果から、イミキモド誘発乾癬モデルにおいて、IL-27が誘導され、その病態形成に関与していることが示唆された。そこで、乾癬におけるIL-27の役割を検討するため、IL-27持続的投与下におけるイミキモド誘発乾癬皮疹を検討した。IL-27(40ng/日)もしくはPBSを注入した浸透圧ポンプをマウス背部皮下に埋め込み、持続皮下注を開始し、翌日からイミキモドの連日外用を6日間行った。その結果、IL-27投与群において、PBS投与群に比べて、肉眼的に有意に乾癬皮疹の増悪がみられた。また、組織学的検討も加えたところ、表皮肥厚、炎症細胞浸潤ともIL-27投与群において、PBS投与群より増悪がみられ、IL-27投与により、イミキモド誘発乾癬皮疹が増悪することが確認された
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請した計画のH23年度の研究計画・方法における研究課題はおおむね終了しており、現在、H24年度の研究計画・方法における研究課題を施行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の予定通り、IL-27およびPBS投与イミキモド誘発乾癬マウスにおけるサイトカイン、ケモカインのmRNA発現の定量的解析(rea1-time PCR法)およびIL-27中和抗体投与によるイミキモド誘発乾癬マウスの皮疹の評価について検討し、本研究を遂行する。
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