2012 Fiscal Year Annual Research Report
インスレーターを用いたp53抑制ウイルスベクターの開発
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23890046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内野 繭代(森繭代) 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究医 (30570452)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | インスレーター / ベクター |
Research Abstract |
本研究ではエピジェネティックな遺伝子発現調節機構であるインスレーターをウイルスベクターに搭載することで、より効果的な遺伝子発現を示すベクターが得られる可能性がある。ヒトを含めた様々な種のインスレーターを搭載したp53アデノ随伴ウイルスベクターを作成し、より長期間かつ高い遺伝子発現が可能なベクターを開発することを目的とした。p53搭載ベクターの作成と同時にレスベラトロールに関する基礎的な研究も行った。 レスベラトロールは赤ワインやぶどうの皮に含まれるポリフェノールの一種として知られている。レスベラトロールは長寿遺伝子であるSIRT1を活性化することでNF-kBの脱アセチル化を促進し、NF-kBの働きを阻害することで生体の過剰な炎症を抑える働きがあることが知られている。しかし、産婦人科疾患において、抗炎症作用に着目した報告はまだ少ない。子宮内膜症は腹腔内マクロファージや内膜症間質細胞などによる炎症の増悪スパイラルに陥り、慢性的にNF-kBが活性化されている慢性炎症性疾患である。レスベラトロールはSIRT1を活性化し、NF-kBを阻害することにより抗炎症作用を持つ。レスベラトロールの抗炎症作用は関節リウマチなどの慢性炎症性疾患にも効果を持つことが報告されている。この抗炎症作用が内膜症でも認められるかを、SIRT1やNF-kB経路に注目し、内膜症間質細胞培養を用いて検討した。 結果、レスベラトロールは内膜症間質細胞における炎症性サイトカインであるIL-8の発現を抑制した。また、SIRT1のinhibitorであるsirtinolはIL-8の発現を誘導した。 これらのことより、内膜症間質細胞の炎症性反応においてSIRT1の活性化が重要な役割を担っていることが示唆された。今後はSIRT1をターゲットとしたベクターの研究開発を進める。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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