2011 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胎児精巣におけるCyp26b1遺伝子制御機構の解明
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23890051
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鹿島田 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80451938)
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Keywords | 性分化 / 精巣 / 生殖細胞 / 減数分裂 / レチノイン酸 |
Research Abstract |
1 : マウス胎児性腺におけるCyp26b1遺伝子発現調節機構に対するSF1,SOX9の関与とそのメカニズムの検討として以下の知見を得た。(1) : マウスSertoli細胞のモデルであるTM3細胞において、SF1,SOX9はCyp26b1遺伝子の発現を活性化させる(in vitroにおける証明)。(2)SOX9のコンディショナルノックアウトマウス、およびSf1欠損モデルマウスである、Cited2ノックアウトマウスにおいて、Cyp26b1遺伝子の発現が低下している(in vivoにおける証明)。 2 : Cyp26b1遺伝子の卵巣特異的転写因子FOXL2による発現調節効果について以下の知見を得た。(1)マウスSertoli細胞のモデルであるTM3細胞において、FOXL2はSF1およびSOX9によるCyp26b1発現効果を抑制する(in vitroにおけるFOXL2の抑制効果の証明)。(2)FOXL2ノックアウトマウスの卵巣においては、野生型に比べ、Cyp26b1遺伝子の発現が約20倍上昇している(in vivoにおけるFOXL2のCyp26b1遺伝子抑制効果を指示する所見)。 以上よりマウス胎児性腺においてはCyp26b1はSOX9/SF1とFOXL2の拮抗的な機構による転写制御を受けていることが判明した。 一方MLPA法によるCyp26b1遺伝子の性腺特異的エンハンサー同定については、共同研究者である、A.Sinclair教授の研究室でSf1-GFPマウスを用いて行う予定であったが、マウスのコロニーの調整に時間がかかったこと、また初回のアレイが原因不明ではあるが、有意なデータが得られなかったことなどがあり、現在2回目のアレイが進行中であり、アレイに基づいた解析を行うまでに至っていない。この2回目のアレイは近日中に送られてくる予定であり、アレイデータが得られ次第速やかに解析を行う予定である。
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