2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23890060
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石原 智彦 新潟大学, 脳研究所, 助教 (70612232)
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Keywords | ALS / snRNA / U12 / 逆転写定量PCR |
Research Abstract |
本研究は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態機序解明を目的とする.我々はALS神経組織におけるTDP-43蛋白の局在変化により生じる機能異常がスプライシング調節因子である,snRNAs の発現低下を来たすという仮説を提唱している.我々は実際にsnRNAsの一種であるU12 snRNAがALS神経組織で低下することを確認している. この変化がALS病態機序と関わる事を証明するためには,ALSでの非障害組織,すなわち非神経組織においてはsnRNAの異常が生じないことを示す必要がある. 我々は平成23年度の本研究において,ALS患者例および対照群の非神経組織(肝臓,筋肉,腎臓)における,snRNAの変化を定量しており,これを報告する. mRNAのスプライシング異常の定量には逆転写定量PCR法を用い,条件設定は国際的な実験ガイドラインに準じた.我々は複数例のALSおよび対照群の上記組織より抽出し,品質を確認したRNAを既に保有している.逆転写定量PCR法の正確な施行に必須である内在性コントロールについては,TaKaRa社のハウスキーピング遺伝子プライマーセットを用いて,候補遺伝子の発現量を定量し,内在性コントロール選定アプリケーション GeNorm (http://medgen.ugent.be/~jvdesomp/genorm/)を用いて,臓器ごとに安定して発現している候補遺伝子を選定した.内在性コントロールとして肝臓,腎臓では RPLP0,RPS18 mRNAを,筋肉ではRPLP0,RPLP2 mRNAを選定した.腎臓,筋肉ではALS群において対照群と比較して,snRNAの有意な変化は認めなかった.また肝臓では U11,U6atac snRNAの低下を認めたが,神経組織で共通する U12 snRNAの低下は認めなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画書の記載に則り,研究を進展できている. また追加検体からのRNA回収にかかる費用として,平成24年度に繰越申請を行ったが,これについても予定通りに研究が進められている.
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Strategy for Future Research Activity |
ALSにおけるsnRNAの低下が病態機序に関連することを実証していく. 具体的にはALS神経組織における,spliceosome関連蛋白質の定量や実際のsplicing変化について研究を進める.
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Research Products
(1 results)