2012 Fiscal Year Annual Research Report
組織関門における新規インフラックス分子実体の同定と薬効・毒性予測への展開
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23890066
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
久保 義行 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 講師 (20377427)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 血液網膜関門 / 薬物動態 / 毒性 / 薬効 / トランスポーター / オーファン分子 / 薬物送達 / インフラックス |
Research Abstract |
血液網膜関門における取り込み輸送系の同定と分子機構の解明は、網膜での毒性発症機構やその回避戦略の開発、網膜疾患治療薬の開発において有用な知見となる。本年度は、有機カチオン性薬物である[3H]propranololに関して、retinal uptake index (RUI)法などによるin vivo解析を実施した。その結果、血液網膜関門にpropranolol取り込み輸送システムの存在が示唆され、これはpyrilamineやverapamilなどの有機カチオン性薬物によって阻害された。詳細な輸送特性を検証する目的で、内側血液網膜関門モデル細胞株を用いたin vitro輸送解析を実施した。その結果、内側血液網膜関門の[3H]verapamilや[3H]propranolol、[3H]pyrilamine取り込み輸送システムは担体介在型であることが示唆された。In vitro輸送阻害解析の結果、これら取り込み輸送体は典型的有機カチオン性化合物や有機アニオン化合物によって阻害されない一方、有機カチオン性の神経保護薬などによって有意に阻害された。このことから、内側血液網膜関門において、有機カチオン性薬物取り込み輸送システムを担う分子実体が未知の有機カチオントランスポーターであることが示唆された。分子実体同定を目指したオーファンインフラックストランスポーターの探索では、哺乳動物やバクテリア類の有機カチオントランスポーターと相同性を有し、内側血液網膜関門に発現するオーファン分子(全15クローン)の存在が明らかとなった。アフリカツメガエル卵母細胞および培養細胞発現系における機能解析では、一部のオーファン分子に関して、有機カチオン性薬物や栄養物輸送能が示唆された。今後、これらのオーファン分子機能の検証は、血液網膜関門の物質輸送システムの新しい理解に有用なものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)