2011 Fiscal Year Annual Research Report
肢体不自由児施設における被虐待児の段階的支援システムの解明
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23890075
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大橋 麗子 岐阜大学, 医学部, 助教 (90612614)
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Keywords | 被虐待児 / 肢体不自由児 / 専門職 / 支援システム / 肢体不自由児施設 / 支援内容 / 支援における困難感 / 役割期待 |
Research Abstract |
本年度はまず、肢体不自由児施設で被虐待児に対して行われている支援内容とそれを提供する際に抱く困難感を専門職ごとに調査するための準備として、肢体不自由児施設における支援内容と、児童養護施設等で提供されている支援内容の文献のレビューと関連学会等において情報収集を行った。児童養護施設においては、心理職を中心とした愛着修復の立場からのプログラムが多く報告されていた。その方法としては、従来からの個別的心理療法に加えて、こどもの養育環境を心理治療的環境とする介入を行うことで、生活環境によって継続的に支援する重要性が明らかにされていることが分かった。肢体不自由児施設において、ケアワークにあたるのは、看護師、保育士、指導員といった専門職である。養護施設で行われている心理的治療環境を肢体不自由児施設で行う際には、まず現状に専門職により行われている支援内容を明らかにするとともに、それぞれの専門職が自らの役割、他専門職の役割をどのようにとらえているかを明らかにする必要があると考えた。その自らの役割についての認知と、他専門職に期待する役割の認知のずれを描きだすことで、肢体不自由児施設における課題が明らかになり、現在あるマンパワーを活用した相互に協力しあう関係を再考することが、可能となると考える。現在は、これらを踏まえ、「現状の支援内容」を把握するための質問紙を作成している。また、支援にあたる特にケアワーカーには、様々なストレス因子が存在することが明らかにされている。先行研究で明らかにされたストレス因子は、肢体不自由児施設の職員にも同様にあてはまるのか、専門職によって異なるのかを明らかにするために、これらを参考に「支援に際する困難」を明らかにする質問紙も作成中である。今後は、「現状の支援内容」と「支援に際する困難』をまず明らかにし、その結果により具体的な専門職の役割における認知を調査する方法を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅れた理由のひとつは、調査を開始するにあたっての準備に十分な時間を割けなかったことである。そのため、調査の準備までを行い、調査を開始することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、「現状の支援内容」「支援に際する困難」を把握するための質問紙を作成中である。同時に、所属大学の倫理委員会に計画書を提出し、研究協力施設への依頼を行う予定である。
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