2011 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠糖尿病における網膜症の進行機序解明と治療・検査への応用
Project/Area Number |
23890084
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉本 昌彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00422874)
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Keywords | Epiermal growth factor / betacellulin / 糖尿病 / 糖尿病網膜症 / 妊娠糖尿病 |
Research Abstract |
申請者らはEpidermal growth factor (EGF)ファミリーのひとつであるbetacellulin (BTC)が糖尿病と糖尿病網膜症に果たす役割を明らかにしてきた。この働きはインスリンを介して行われ、選択的EGF阻害剤などで抑制されることを明らかにした。妊娠糖尿病(GDM)に併発する網膜症(GDM-DR)では網膜症が劇症化することがみられ、申請者らはGDM-DRの進行にこのBTCが関与している仮説を立てた。本研究ではGDM-DRにおけるBTCの役割を明らかにし、臨床応用にむすびつく基盤を構築することを目的とする。 まず、GDM-DRの発症・進行と血中BTC量との相関関係を明らかにし、BTC量を重篤度の指標として応用できる可能性を明らかにする。 まず今年度は実験環境の整備から始まり、当施設における実験系が確立するまで予備実験に時間を費やした。本研究における本年度の計画としては、GDM-DRの発症・進行と血中BTC量との相関関係を明らかにし、BTC量を重篤度の指標として応用できる可能性を明らかにすることであった。GDMならびにGDM-DR患者において網膜症の有無やステージと、血中BTC濃度との相関を調べ、発症や劇症化の可能性を判断する指標としてのBTCの有効性を調べることを目指した。本研究計画は妊婦の定期検査も必要となるため、当院産科と連携しながら行った。 現在、症例は順調に集まり、血清を用いたELISAならびにWestern bolt法によるBTCの検出の実験系を確立し、解析を進めている。次年度はこの計画を完遂し、動物実験系に移行する。マウスGDMモデルを用いて、GDM-DR発症におけるBTCの役割を明らかにし、同時にGDM-DR発症が選択的EGF阻害剤やsiRNAなど、BTC関連薬剤により制御できる可能性を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象患者数の収集に思いのほか時間を要し、現在ようやく実験系に持ち込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、動物実験系に移行する。マウスGDMモデルを用いて、GDM-DR発症におけるBTCの役割を明らかにし、同時にGDM-DR発症が選択的EGF阻害剤やsiRNAなど、BTC関連薬剤により制御できる可能性を明らかにする。
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