2012 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠糖尿病における網膜症の進行機序解明と治療・検査への応用
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23890084
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉本 昌彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00422874)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 妊娠糖尿病 / Betacellulin / 血管内皮増殖因子 / 糖尿病網膜症 |
Research Abstract |
妊娠糖尿病(Gestational diabetes mellitus, GDM) では網膜症(GDMに合併したDiabetic Retinopathy, GDM-DR) を併発することがある。通常の網膜症と異なり急速に劇症化することがあり、別個の機序が関与している可能性がある。過去にもGDM-DRの発症に関与する分子が報告されているが、加療に直結するものはない。Betacellulin (BTC)は本症と類似する病態である、血糖コントロールに伴う網膜症の劇症化に関与する蛋白質である。また、糖尿病網膜症増悪に強く関与する血管内皮増殖因子(VEGF)がBTCとともに本疾患の原因となりうると考えた。倫理委員会の承認の元、正常女性・妊婦・導尿病女性・GDM妊婦の血液検体を採取し、ELISAによる解析をおこなった。同時に、これらを反映するマウスモデルを作成し、網膜における蛋白発現をしらべた。 ヒト血液では、GDM群においてVEGFはDM群に比し低下していた。また、BTCはGDM群において増加する傾向が認められた。マウス網膜では血管透過性の上昇がGDM群で認められ、VEGFならびにBTC発現も同様の傾向がみとめられた。以上から、GDM群においてVEGFは抑制されるがBTCは増加し、血管透過性上昇と網膜症発症に関与している可能性が示唆された。しかし、今回のヒトGDM群は血糖コントロールが良好であり、経過中に網膜症増悪を呈した症例は認めなかった。このことから、網膜症増悪を呈するGDM群についても今後症例を増やし、検討する必要があると考えられている。 本研究内容は2013年に行なわれる日本糖尿病眼学会(8月、神戸)ならびに日本臨床眼科学会(10月、横浜)において発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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