2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害患者における舌圧発現と嚥下障害の縦断的測定
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23890104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 重悟 大阪大学, 歯学研究科, 医員 (80610873)
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Keywords | 嚥下障害 / 脳血管障害 / 舌圧 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高頻度に嚥下障害が発生するとされる脳血管障害(以下CVA)患者に対して,独自に開発した「舌圧センサシートシステム」を応用して舌圧測定を行い,脳血管障害後嚥下障害の客観的診断の可能性を探ることである.CVA発症後は大部分の患者において嚥下障害が発生するとされているが,発症後2週間程度で症状が寛解する場合と長期に渡って残存する場合があり,CVA患者の生命予後やQOLの観点からも両者の経過を観察・鑑別することは重要であると考えられる.本研究では縦断的に発症1週間,2週間,4週間,3ヶ月目を目安に測定を行い,経時的な舌圧及び嚥下機能の指標の変化を追跡した. 23年度では5名の被験者を追加測定し,発症後早期に嚥下障害が回復するパターンと長期に残存するパターンに区別して大まかな傾向を掴むことができた.即ち早期回復パターンでは舌圧は口蓋前方部を中心に多くのチャンネルで回復し,また発現時間は短くピークは単峰性を示すのに対し,晩期残存パターンでは各チャンネルにおける舌圧最大値は小さいかもしくは接触が全くなく,発現時間は延長し多峰性のパターンをとるということである.この舌圧発現様相の変化は嚥下障害の指標と相関しており,CVA後嚥下障害は口腔期嚥下障害と強く関連していることが示唆された. 一方舌圧最大値が十分に出ているにも関わらず嚥下の遂行に障害のあるケースも見られ,この被験者においては口腔・咽頭運動の協調性の低下が疑われた.本舌圧測定システムでは咽頭期嚥下までを観察することは困難であり,今後咽頭内視鏡や他の咽頭運動測定システムを併用した同期計測の必要性が考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
協力医療機関の担当者が配置換えになり,被験者の収集が滞っているため.また咽頭期嚥下の客観的指標となる計測システムが必要とわかり,その開発も同時に進めていたため.
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Strategy for Future Research Activity |
協力機関の後任者と再度密に連携を取り,更なる被験者の収集に努める.咽頭期嚥下の計測システムは本年度に開発と基礎研究を終えたため,次年度よりこのシステムも活用しさらにデータ数を増やす予定である.
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Research Products
(2 results)